今夏のワールドカップで優勝を飾ったスペイン。2023年の女子ワールドカップでもスペインが優勝しており、男女ともに世界一になった。
そうしたなか、スペインサッカー連盟は8日に女子代表選手や女子審判、女性職員を対象とした不妊治療などの支援プログラムを発表した。
スペインサッカーに関わる女性のウェルビーイングを強化するもので、対象となるのは、フットサルを含めた女子代表選手、1部リーグの審判員、連盟の全職員。
民間クリニックと協定を結び、2029年まで卵子凍結および生殖補助医療の費用を連盟が全額負担するという。
スペイン女子代表選手や女性審判員たちは「母親になる方法を自由に選択できるこの協定を大変嬉しく思う」、「何よりも重要なのは、女性アスリートが私生活と競技キャリアのどちらかを選ばなければならないと感じずに済むようになること」、「これによって私たちのプレッシャーは軽減され、より自由に決断を下せるようになる」と歓迎している。
『EL PAÍS』によれば、選手から懸念の声が上がったことが今回の支援策の発端になったという。
女子代表選手は、アスリートとしての短いキャリア期間が、妊娠・出産の適齢期と重なってしまうという懸念を表明していた。
支援の対象となるのは、昨年12月以降に少なくとも2回招集されたすべての女子代表選手や審判らで、現時点での対象者は100人弱だが、期間中は順次追加される。
今回の支援策では最大5年間の卵子保管も含まれるそうで、これは一般的には約2000ユーロ(約35万円)以上の費用がかかるものだそう。
卵子は5年間保管され、その期間内に卵子を使用しなかった場合、選手は卵子の寄付か保管継続かを選択できる。保管を継続する場合は、多くのクリニックで300〜500ユーロ(5~9万円)の費用がかかるとも。
ただ、一部には反発もある。
スペインの女子陸上選手で2021年東京オリンピックの女子三段跳で銅メダルを獲得したアナ・ペレテイロもそのひとり。
彼女は「極めて性差別的」と公然と批判。スポーツのスケジュールなどを調整するのではなく、出産を遅らせることを目的としているとSNSで疑問を呈した。30歳のペレテイロは、2022年に第一子、今年7月に第二子を出産している。
また、労働組合などの団体も、このような支援計画が、ワークライフバランスの強化や、競技活動中の妊娠に対する積極的な保護に取って代わるべきではないと警告したという。
筆者:井上大輔(編集部)
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