女子サッカーのオリンピックが、今後大きく姿を変える可能性が浮上しているようだ。
『The Guardian』によれば、FIFAは女子の五輪サッカーを男子と同様のU-23(23歳以下)を基本とする年齢制限の導入を検討しているという。
背景にあるのは、急速に過密化する日程とトップ選手の負担増だ。まだ正式な提案が出された段階ではないが、FIFAはIOC(国際オリンピック委員会)や選手、各国協会との協議に関心を示しているとされる。
ただし2028年ロサンゼルス五輪はすでに出場枠の仕組みが決まっている上、一部地域では予選も始まっている。そのため変更されるとしても2032年ブリスベン五輪からになるとのこと。
男子の五輪サッカーは原則U-23で、さらに各チーム3人までオーバーエイジ選手を登録できる。一方の女子に年齢制限はなく、各国のフル代表が出場してきた。その理由は、1996年アトランタ大会で五輪種目となった当時、プロ化が現在ほど進んでいなかったためだ。
結果として、オリンピックは女子サッカーではワールドカップと並ぶ重要な大会になった。パリ五輪で金メダルを獲得したアメリカは、過去8大会で5度の優勝を誇っている。
それだけに、U-23化が実現すれば大会の性格は大きく変わる。トップ選手から反発が出る可能性もあり、大会としての価値が下がるIOC側も簡単には受け入れないとみられる。女子サッカーはアメリカや欧州、オーストラリアで高い商業価値を持つため、IOCにとっても重要な競技だ。
ただその一方で、FIFAが問題視する過密日程も深刻になっている。とくに2028年は、女子サッカー史上でも極めて忙しい年になる。
FIFAは同年1月5日から30日にかけて、アメリカで16チームによる女子クラブワールドカップを初開催する予定で、そこからわずか半年後にロサンゼルス五輪が控える。参加する欧州の有力クラブは、国内リーグやカップ戦を最大1か月近く離れる可能性もある。
なお、ロサンゼルス五輪では女子は16チーム、男子は12チームが出場する予定で、五輪史上初めて女子の参加国数が男子を上回る。
ワールドカップと並ぶトップ代表の大会を維持するのか、それとも若手主体の大会へ変えるのか。女子サッカーの急速な成長が、いまオリンピックの位置づけを問い直しているようだ。
筆者:石井彰(編集部)
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