2015シーズンのJ1は22日に最終節が行われ、サンフレッチェ広島が2ndステージ優勝と年間総合順位の首位、およびチャンピオンシップ決勝進出を決めた。

ここ4年で3度目となる年間首位に輝いた広島だが、2013シーズンは横浜F・マリノスの取りこぼしで連覇を決めている。今年は1stステージこそ優勝を逃したものの、年間を通じて最多得点・最少失点で、歴代最多記録を更新する勝ち点74は文句なしの成績であった。

そんな躍進の立役者になったのが、12月に28歳の誕生日を迎えるブラジル人FWのドウグラスだろう。

2010年7月、J2・徳島ヴォルティスに加入し初来日したドウグラス(1年目の登録名は「ドゥグラス」)。

クラブから「スピードを活かしたドリブルシュート、ポストプレーもこなし、更には高い打点のヘディングシュートも兼ね備えた期待のFW」と紹介されたが、3シーズン連続で4ゴールと期待外れに終わっていた。

2013シーズンこそ初昇格を果たしたチームで12ゴールを記録し、翌シーズン初めてJ1でプレーしたが、J2でも突出した存在ではなかったドウグラスは1ゴールも上げられず、7月に放出される形でJ2・京都サンガへ期限付き移籍している。

4年半の間にJ1でノーゴール、J2で29ゴール…はっきりいえば日本に留まれたことが奇跡に近く、失格の烙印を押されても仕方ない成績だったのだ。

にもかかわらず今年、広島は海外挑戦を果たした高萩洋次郎(現FCソウル)、浦和レッズへ引き抜かれた石原直樹の後釜としてドウグラスを獲得する。広島はもちろんJ全体のサポーターにとっても驚きで、これが「最高の買い物」になるとは誰も予想していなかっただろう。

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