私の知り合いにガジアンテップ在住でブルサ・サポーターのEmreさんがいる。
Emreさんはユニフォーム販売サイト(www.lfb.jp)関連で知り合った1人なのだが、ビジネスのお付き合いというよりも一人のサッカー・ファン同士の結びつきが強い。Emreさんはとても紳士的な方で毎週日曜日にはブルサスポルの試合のことを話してくれるため、すっかりブルサスポルについて詳しくなってしまった。
前置きはともかくトルコ・リーグでブルサスポルが好調だ。25節を終えた段階でガラタサライが16勝5分4敗の勝ち点53で首位、ブルサスポルが16勝4勝4敗で52、勝ち点1差で追っている。
勝ち点差は1であるがブルサスポルは試合数が1試合少ない。これは3月6日のディヤルバクルスポル戦でディヤルバクル・サポーターの暴力により試合中に中断、延期になったからだ。
【詳細記事】 News from the Middle East より
しかし、リーグ側によるとは再試合を行わずにブルサスポル側に勝ち点3を与え、ディヤルバクル側には罰金措置になることが決定的だそうで、勝ち点3を加えれば勝ち点は55となりガラタサライを勝ち点2上回り、“実質的な首位”と言える。
ブルサスポルは1963年に創設されたクラブで、1986年にトルコ・カップを制したのが唯一のタイトル。2006年に2部リーグを優勝し、1部リーグに復帰。昨シーズンの国内リーグでは5位と近年力をつけてきたチームといえる。
これといった有名な選手はいないが、チームの中心となる外国人選手にはセットプレーを多く担当するアルゼンチン人のパブロ・バターラ、ユヴェントスに在籍経験がありバーゼルで活躍したセルビア代表MFイヴァン・エルギッチ、チェコ代表MFトマーシュ・サポトチニーら代表選手は多い。
だが、特筆すべきは若手の充実ぶりだ。1990年生まれのセルジャン・ユルディルムはすでにトルコ代表で5試合に出場。今季はシーズン中に怪我で離脱したものの、フランチェスコ・トッティを彷彿とさせるセカンド・トップとして世界各国のスカウトが目を光らせている。オザン・イペーク、ヴォルカン・シェンといった左右のMFもフル代表にもピックアップ、セルジャンと並びチームの顔となっている。
このほかにもユース代表経験を持つ選手が多い。3月10日のカスンパシャスポル戦では1991年生まれのイスマイル・ハクタン・オバダシがデビュー。右サイドでキレのあるドリブルを見せ、3月14日の試合にも出場。早くも“新しいセルジャン”としてサポーターから未来を期待されている。
さて、そんなブルサスポル、往年のセリエAファンには懐かしい一面もある。得点を決めた際にバーリのサンドロ・トヴァリエリが行った“ムカデ歩き“を彷彿とさせるゴール・パフォーマンスを行うのだ。
このパフォーマンスは正確には” timsah yuruyuナ殷”(クロコダイル・ウォーキングの意味)と呼ばれるもので、1994年から1997年まで在籍したウガンダ代表FW故マジド・ムシシ氏がはじめたもの。ムシシ氏は1996年にはトルコ・リーグ最優秀外国人に輝くなどチームの伝説的存在で、現在もそのパフォーマンスはチームに語り継がれているのだ。
【おまけ その1】Sandro Tovalieriのムカデ歩き
【おまけ その2】Sandro Tovalieriのムカデ歩き
【おまけ その3】
サンドロ・トヴァリエリは、ローマ生まれのローマユース育ち。U-21の代表経験を持つ。バーリを去った後は、アタランタ、レッジアーナ、カリアリ、サンプドリア、ペルージャ、テルナーナを渡り歩き、1999-2000シーズンのレッジアーナを最後に現役を引退している。2005年からはローマのユース選手を指導している。