「フランスは大きな問題にぶち当たっている」
“ザ・ロック”と愛称で親しまれた、元フランス代表ディフェンダー、マルセル・デサイーはSkysports.comの取材に応じ、W杯とEUROの2大タイトルを獲得したフランス代表時代の同僚を思い浮かべながら、現代表に対する思いを吐露した。
「ローラン・ブランはクラブに身をささげている。ディディエ・デシャンも同様だ。つまり、代表監督に就任する準備をしていないんだ。これは、近い将来、フランス代表に災難が降りかかるかもしれない。ジャン・フェルナンデス、ジャン・ティガナという名前はあるが、私は彼らが代表チームを率いられるとは思えないね」
遠回しでありながらも、栄光を分かち合ったブランやデシャンの代表監督就任を望む発言を行ったが、未だに監督批判が止まない状況にも言及し、フランス代表の実力も分析した。
「フランスのためにも、ドメネクに関する問題は忘れる必要がある。しなければいけないことは、監督ではなくプレイヤーに目を向けることだ。彼らは、自分達に力があることに気付いているはずだ。W杯で成功するだけの資格を備えている、と。その中でも約7名の選手に関しては、これまでの時代に登場した選手達よりも優れた能力の持ち主であると思う。また、アネルカ、アンリ、ヴィエラ、ギャラスは衰えてしまう可能性はあるが、南アフリカで戦う選手達のほとんどが、EURO2012にも名を連ねるだろう」
優れた7名の名前を明言することはなかったが、今の代表チームは“次にも繋がるチーム”であると持論を展開。1998年のW杯と2000年のユーロを制覇した当時の代表との共通点を見出したかのようにも感じたが、2010年南アフリカ大会での成功については現実的な考えを示す。
「W杯前にチーム・スピリットを高める必要はあるが、少なくとも準々決勝までは進むだろうと考えている。準決勝に行く可能性もあるかな・・・」
理想と現実の狭間で語ることが出来るそのサッカー眼の高さは、現役時代のクレバーな守備を思い起こさせるが、現在は、その能力を“監督”として活かす機会を得るために努力の日々のようだ。
「今は、9月に監督ライセンスを取得するために頑張っているところなんだ。後、1年ぐらいはかかるかもしれないけど、マルセル・デサイーはサッカー界に復帰するよ(笑)」
次代のフランス代表監督に相応しい男は、ブランでもなく、デシャンでもなく、デサイーなのかもしれない。
※チームメイトを語る、デサイー(現役時代)