Jリーグは27日、「セカイカメラ」を活用したプロモーションを期間限定で実施すると発表した。
「セカイカメラ」とは、現実空間にエアタグという付加情報を重ね、デジタルカメラを通してコミュニケーションできる、iPhoneのソーシャルAR(拡張現実)アプリケーション。「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'09/第15回AMDアワード」で大賞/総務大臣賞を受賞するなど、いま話題のAR技術のなかでも注目されている情報サービスの1つで、6月からはauのスマートフォン端末や、携帯電話(※こちらは「セカイカメラZOOM」として)でも利用できるようになる模様だ。
イメージとしては、アニメ『電脳コイル』で電脳メガネを通して見える世界に近いだろうか。
なお「セカイカメラ」は、ARカードのような画像認識ではなく、GPSと無線LANを併用した位置認識とiPhoneに内蔵された電子コンパスの組み合わせで空間に付加情報を表示させるシステム。よってJリーグでは、スタジアムの上空を使ってJリーグ公認ファンサイト、J's GOALに掲載されたスタジアム内のイベントやグルメの写真や情報を提供するとのことだ。
プロモーションの実施期間は、4月29日(木・祝)から6月13日(日)まで。
特に4月29日~5月9日のゴールデンウィーク期間は毎年恒例「JリーグファミリーJoinデイズ」のため、各スタジアムでイベントが目白押し。必然的に今回のプロモーションが注目される機会は増えることだろう。
「セカイカメラ」はユーザー自身も投稿ができるため、観戦に訪れた人がいたずらで大量にエアタグを重ねて情報を埋没させてしまったり、アウェイチームのサポーターが誹謗中傷を書き込むといった問題が生じる可能性も十分にある。ただ、Jリーグの公式発表に「本プロモーションは、来場された方々が試合観戦だけでなく、スタジアムで過ごす楽しみ方を共有していくことを目的としています」とあるように、イベントやグルメなど独自のスタジアム文化を築きつつあるJリーグがこういった新しい技術を積極的に取り入れていこうという姿勢は評価に値する。機会があれば感想などを続報としてお届けしたい。