現在、フランス代表は「アネルカの代表追放騒動」が話題の中心となり、もはや、フランス代表サポータの興味は、GL突破の可能性よりも、事態の真相のほうなのかもしれない。さて、フランスと言えば、とにかく政治家がサッカーについて口を出す国家として有名だ。フランスが不振に陥れば、代表にする持論を展開し、「監督を解任させるべき」とか平気で公言したりする。思ったことを包み隠さず、自分の考えを強調する民族性はいかにもという感じがするが、もし、総理大臣の管直人が日本代表や岡田監督に対して、ことあるごとにコメントを発するような状況があるとすれば、日本国民の多くが違和感を感じるのではないだろうか。畑違い過ぎるだろ?と。しかし、「全員が評論家」と言わんばかりの性格を備えるフランス人にとっては、総理大臣のサッカー批評は“最高のネタ"として扱われるのだ。

さて、フランスの総理大臣と言えば、ニコラ・サルコジであるが、今の“レ・ブルー"の危機に我慢できなくなり、大きく動き出した。スポーツ大臣を務めるロセリヌ・バシェロを南アフリカに送り、キャプテンのエヴラ、監督のドメネク、さらに、協会会長エスカレテと会談させる計画を打ち出したのだ。バシェロスポーツ大臣も「私は首相と同じ考え。威厳や責任といったようなものが、この代表には欠けているように感じた。フランス国民と同様に憤りを感じている」と語るように、何故かやる気満々。さらに、「(関係者にペナルティーを与えるべきかは)今はそのような類の話を論じるには相応しくないと思うが、近々、そのことについても考えなければならなくなるかもしれない」とも付け加え、もはや、“アネルカの追放"はただのサッカー事件に終わらない気配だ。

このトピックについては、当然、フランス代表OBや関係者らも論じている。まぁ、これは至極当たり前のことだ。しかし、そこを飛び越えて、完全な門外漢が首を突っ込むべきことなのか?と考えると、いささか疑問を感じざるを得ないだろう。例えば、日本の国家元首が「岡田監督は解任させるべきだろう」と語ったらどうなっていただろう。その発言一つだけで、大変なことになっていたはずだ。しかし、それが平気で起こり、平気で進んでしまうフランスという国の“おかしさ"。国はそれぞれ特徴というものを持っており、日本と比較するべきではないことはわかっているが、どうしても“おかしい"と言いたくなってしまう者は多いことだろう。

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