現世界王者のスペインには毎年のように才能豊かなプレーヤーが台頭するが、その度に起こる現象が移籍の噂であり、当然のようにその移籍先にはプレミアリーグに属するクラブの名前も挙がる。言うまでもなく、その話の大半が現実なものになることはないのだが、そのニュースに胸を躍らせるプレミアリーグのファンは少なくないはずだ。
『Caughtoffside』がまとめた「今夏にプレミアリーグ参戦が期待されるスペイン人若手プレーヤー」を参考に、明るい将来が約束されているタレントたちを見ていこう。
アルバロ・ドミンデス(アトレティコ・マドリー)
対人戦で絶対的な強さを見せる、熱きストッパー。高さ、強さ、素早さを兼ね備えるだけではなく、リーダーシップにも秀で、11/12シーズンのアトレティコでは22歳の若さで第三キャプテンに就任した。昨年8月にはA代表初招集も受ける。
アンデル・エレーラ(アスレティック・ビルバオ)
子供時代からレアル・サラゴサで大きな注目を集めた存在で、ユース時代には主将も務めていたMF。全盛期のパブロ・アイマールを彷彿とさせる“雰囲気”を持ち、エレガントな技術、優れたパスセンスにキックレンジの長さを活かした展開力も売り。今季加入したビルバオでも即座にフィットした。
マルティン・モントージャ(バルセロナ)
主戦場はBチームながらスペインA代表への参加を果たした若き実力者。上背はないが、馬力と瞬発力があり、自力で敵陣深くまでボールを持ち運べるだけではなく、抜き切らずに正確なクロスボールを上げることも可能。
ロドリゴ(ベンフィカ)
昨季にローン移籍で加入したボルトンでは慣れないサイドハーフで起用されたこともあり不発に終わったが、今季復帰したベンフィカではサビオラを押しのけてレギュラーを獲得。開幕から爆発し、一気に評価を高めた。鋭い加速力、動き出しのセンスを生かしたゴール嗅覚に優れるだけではなく、ゴール前での落ち着きも評価に値。
ジョルディ・アルバ(バレンシア)
昨季途中から挑戦した左サイドバックも板につき、スペインA代表にもコンスタントに招集されるなど、ここ1、2シーズンの間に一気に名声を高めた。アジリティーとドリブル技術を活かした突破力を武器としているが、献身性やスタミナも備え、守備も大きな不安はなし。
オスカル・デ・マルコス(アスレティック・ビルバオ)
無尽蔵のスタミナが目を引くハードワーカー。本職はフォワードで、1.5列目からの飛び出しでゴールを奪う能力に長けるが、サイドハーフやピボーテだけではなく、サイドバックとしても起用されるなど、驚異的なユーティリティー性も持っている。
ティアゴ・アルカンタラ(バルセロナ)
世界最高峰に到達し得る才能を秘める“クラック”。元ブラジル代表MFマジーニョを父に持つが、その技術とサッカーセンスは父以上で、現地では「チャビとイニエスタを足して半分に割ったようなプレーヤー」と称されることもある。
ハビ・マルティネス(アスレティック・ビルバオ)
攻守両面において抜群の存在感を放つバスク出身の大型ピボーテ。スペインには珍しい「Box to Box」型で、パワフルなボール奪取から一気に敵陣まで侵入する。ちなみに、ビルバオの下部組織出身に思われがちだが、実はオサスナ育ちで、17歳の時に移籍金約7億円で引き抜かれた経歴を持つ。
クリスティアン・テージョ(バルセロナ)
今季一躍スターダムにのし上がったドリブラー。「今では希少価値の高い、クラシカルなウィンガー」と評されることも多いが、PA内に侵入する果敢なカットインを得意としており、高速シザースからの急加速は切れ味抜群。
イケル・ムニアイン(アスレティック・ビルバオ)
バスクが生んだ“小さな巨人”。低重心で細かいボールタッチを駆使したドリブルが一番の武器だが、体幹の強さ、持久力、強靭なメンタリティーも兼ね備えている。なお、09/10シーズンのプレシーズンマッチで賞賛に値するパフォーマンスを披露し、そこからレギュラーポジションを掴むまでに急成長を見せたが、なんとトップチームに初帯同したのは14歳のこと。
(筆:Qoly編集部 T)