2011-12シーズンにイングランドで起きた最悪の移籍、『bleacher report』編

5月10日、『bleacher report』が「2011-12シーズンにイングランドで起こった最悪の移籍トップ10」という記事を掲載したので、ご紹介しよう。なお、記事を執筆したヴィンス・シウ氏は「フリーで移籍した選手については金銭的価値を考えて除外した」と付け加えている。獲得に要した額と共にこれを紹介したい。

10位:パク・チュヨン(韓国/アーセナル) / 260万ポンド

アーセン・ヴェンゲルが昨年の夏、モナコから彼を獲得したとき、多くはアーセナルらしい堅実な取引になるだろうと予測された。一種のメディアの策略だったのかもしれないが、9番のシャツを与えられた。もしスタメンに定着しなくとも、重要な役割を担うだろうと。

そしてそれから9ヶ月。彼は批判や疑問を集めている。カーリングカップのボルトン戦での決勝点など、品質をわずかに見え隠れさせているものの、ファーストチームではチャンスすら貰っていない。

本当に不可解な移籍である。

9位:ブライアン・ルイス(コスタリカ/フルアム) / 1060万ポンド

トウェンテでチーム内トップスコアラーを獲得したブライアン・ルイスは、高い評価を得てクレイヴン・コテージにやってきた。フルアムはタイトな予算で動いているチームであるにも関わらず、彼を獲得するのに1060万ポンドもの金額を費やした。彼への期待の大きさそのものである。

9ヶ月が経ち、その分働いたとは言えない。ピッチ上では紛れもない技術の高さを見せるが、チームに定着することに失敗し、クリント・デンプシー、ムサ・デンベレ、パヴェル・ポグレブニャクが彼の代わりに輝いている。

30試合に出場しながらわずか2点という結果が、全てを表している。

8位:チャーリー・アダム(イングランド/リヴァプール) / 700万ポンド

ブラックプールの英雄チャーリー・アダムは、リヴァプールが獲得したわずか3人のうち、最初の1人だった。昨季は34試合に出場し12ゴールを獲得したアダムは、2011年1月にもリヴァプールから関心を持たれていた。夏に合意に達した時、チームの攻撃に新たなアイデアを提供してくれる司令塔となると期待した。

しかし、アイデアを実現することに失敗しただけではなく、リヴァプールでプレーするだけの精神力やスピードを欠いていることを証明した。4月に膝の怪我で離脱したのは、むしろ不幸中の幸いだったのかもしれない。

7位:ショーン・ライト・フィリップス(イングランド/QPR) / 250万ポンド

トニー・フェルナンデス会長がロフタス・ロードにやってきたとき、彼はすぐにプレミアリーグに値する選手を獲得しようと動いた。ショーンはそのために250万ポンドで買われた。トップレベルでの経験とスキルが、チームには大きな助けになるはずだった。

しかし31試合に出場して1つもゴールを取れていないという結果が、この獲得が失敗だったということを証明している。降格を避けるための戦いの中、マーク・ヒューズのチームでは居場所を失った。

6位:シャルル・エンゾグビア(フランス/アストン・ヴィラ) / 950万ポンド

ブライアン・ルイスと同様に、時に選手の移籍は大きな期待外れになることがある。ヴィラ・パークにやってきたエンゾグビアは、最初のシーズンで紛れもなく大きな失望を与えている。

ウィガンの成功のなかで主役となった彼は、鳴り物入りでヴィラに入団した。アシュリー・ヤング、スチュワート・ダウニングが去った後、競争力を確保するための重要なピースと位置づけられた。

しかし、彼はそれにどんな返答を返したか? わずか二つのゴールと、平均以下のパフォーマンスをたっぷりと与えてくれた。

5位:ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド/リヴァプール) / 2000万ポンド

ヘンダーソンは、サンダーランドで名を上げたとき、誰もが彼は最終的にビッグクラブでプレーする可能性を持っている選手だと思った。イングランドU-21代表でもキャプテンを務め、2010年にフル代表に招集されたことも、彼のポテンシャルを証明した。そして、リヴァプールに2000万ポンドで移籍した。

しかし、彼はもうそれほどの選手とは思えない。右ウイングとしてはドリブルとクロス、攻撃的MFとしてはパスとシュート、守備的MFとしてタックルとポジショニング、様々な位置でペースを乱しわずかな効果しか表していない。

「若い英国人選手は高すぎる」 …その典型例である。しかし、幸いにも彼にはまだ多くの時間がある。

4位:スコット・ダン(イングランド/ブラックバーン) / 600万ポンド

バーミンガムが降格したとき、その中心であった彼は注目を集める存在だった。リヴァプールやアーセナルから興味を持たれたが、最終的にブラックバーンを選んだとき、ローヴァーズにとっては大きな成果であると考えられた。

今、それはリヴァプールとアーセナルの見事な手腕であったと言われている。彼の不安定な守備は今季のブラックバーンを象徴しており、アンジ・マハチカラに去ったクリストファー・サンバの穴を埋めるには至らなかった。

バーミンガムは来季プレミアリーグでプレーする。しかし、彼は古巣と戦うことは出来ない。

3位:ロメル・ルカク(ベルギー/チェルシー) / 1800万ポンド

チェルシーがルカクを1800万ポンドで買ったことは、おそらくサッカーの歴史上屈指の解せない取引だ。若きベルギーのストライカーは、ディディエ・ドログバの後釜を担う存在になるものと思われた。クルトワ、デ・ブライネのようにレンタルに出されることもなかった。

しかし、ダニエル・スターリッジにも後れを取り、ルカクはベンチでシーズン全てを無駄にした。ドログバが夏に退団するのであれば、ようやく彼に道が開かれるかもしれないが。

2位:ステュワート・ダウニング(イングランド/リヴァプール) / 2000万ポンド

ダウニングはアンフィールドの歴史の中で最悪クラスの失敗に数えられるのではないか。アストン・ヴィラでの印象的なシーズンの後、2000万ポンドという高騰しすぎた価格にも関わらず、イングランド最高のウイングという評判でリヴァプールへ。アンディ・キャロルの潜在能力を開花させるための最後のピースとして脚光を浴びた。

しかし35試合の出場でゴールもゼロ、アシストもゼロ。リヴァプール最後で最大の失敗といわれているエル・ハジ・ディウフすらも2アシストを記録しているのに、だ。彼は今シーズンのリヴァプールの浪費を象徴する典型例だ。このレベルで成功するだけの判断力、想像力、ドリブル、精神力を示せていない。

ケニー・ダルグリッシュがこのシーズン終了後に仕事を失えば、ダウニングも自身の将来を考える必要が出てくるだろう。

1位:ロジャー・ジョンソン(イングランド/ウォルヴァーハンプトン) / 700万ポンド

今季最悪の移籍者はロジャー・ジョンソンに与えねばならない。

スコット・ダンと共にバーミンガムの守備を支え、ジョンソンはウォルヴァーハンプトンの最高額記録となる移籍金でミック・マッカーシーに買われたが、期待外れのパフォーマンスでウォルヴァーハンプトンを降格に導いた。また、飲酒してトレーニングに出てきたことでチームメイトやコーチ陣を激怒させるなど、プロ意識や規律に欠いていることも明らかになった。

彼は純粋な金銭的価値からだけではなく、態度の面からも最悪の移籍に値する選手である。

(筆:Qoly編集部 K)

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