2012シーズンのJ1、観客動員を見る
サンフレッチェ広島の初優勝、そしてガンバ大阪のJ2降格で幕を閉じた2012年のJ1。その観客動員を簡単に振り返ってみたい。(J2はこちら)
チーム | 合計 | 最多 | 最少 | 平均 | 昨季比 | 成績 | 収容率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 浦和 | 622,772 | 51,879 | 25,743 | 36,634 | △ 8.0% | 3位 (△12) | 57.5% |
2 | 新潟 | 425,309 | 35,506 | 15,854 | 25,018 | ▼ 3.9% | 15位 (▼1) | 59.1% |
3 | FC東京 | 407,243 | 34,822 | 16,229 | 23,955 | △ 36.4% | 10位 (△6) | 47.9% |
4 | 横浜FM | 390,078 | 36,412 | 7,101 | 22,946 | △ 9.0% | 4位 (△1) | 36.8% |
5 | 川崎 | 302,719 | 20,996 | 12,509 | 17,807 | △ 2.6% | 8位 (△3) | 71.2% |
6 | 広島 | 301,249 | 32,724 | 11,123 | 17,721 | △ 34.2% | 優勝 (△6) | 35.4% |
7 | 名古屋 | 291,632 | 30,354 | 7,959 | 17,155 | △ 2.4% | 7位 (▼5) | 56.1% |
8 | C大阪 | 287,524 | 36,723 | 8,226 | 16,913 | △ 19.5% | 14位 (▼2) | 56.7% |
9 | 仙台 | 282,200 | 18,722 | 11,831 | 16,600 | △ 6.0% | 2位 (△2) | 84.3% |
10 | 鹿島 | 261,484 | 23,507 | 10,626 | 15,381 | ▼ 4.7% | 11位 (▼5) | 37.8% |
11 | 清水 | 257,054 | 23,188 | 8,710 | 15,121 | ▼ 4.3% | 9位 (△1) | 68.4% |
12 | G大阪 | 251,232 | 19,393 | 8,218 | 14,778 | ▼ 9.9% | 17位 (▼14) | 70.4% |
13 | 神戸 | 248,853 | 22,766 | 8,755 | 14,638 | △ 10.6% | 16位 (▼7) | 47.2% |
14 | 柏 | 234,064 | 26,106 | 10,351 | 13,768 | △ 15.5% | 6位 (▼5) | 70.7% |
15 | 磐田 | 223,071 | 28,745 | 8,978 | 13,122 | △ 11.2% | 12位 (▼4) | 64.5% |
16 | 札幌 | 204,141 | 25,353 | 6,870 | 12,008 | △ 14.5% | 18位 (→) | 36.8% |
17 | 鳥栖 | 203,844 | 22,116 | 5,432 | 11,991 | △ 55.1% | 5位 (△12) | 51.8% |
18 | 大宮 | 180,831 | 12,709 | 7,936 | 10,637 | △ 16.9% | 13位 (→) | 69.5% |
リーグ | 5,375,300 | 51,879 | 5,432 | 17,566 | △ 11.1% | - | 60.1% |
昨年は東日本大震災の影響もあり、リーグ全体で14.2%のマイナスとなったJ1。今季は18チーム中14チームが観客数を増やし、全体の平均入場者数は15,797人から17,566人へアップ。昨季比プラス11.1%と、震災前の水準(※2010年のリーグ平均は18,428人)にある程度戻すことに成功した。
その大きな要因の一つは、昨季J2を戦ったFC東京の帰還。順位は10位に終わったものの1試合平均23,955人の観客を集め、浦和、新潟という定番の上位2チームに次ぐ3位。また、昇格組を除く15チームで見ても6.2%のプラスとなっており、この辺りはFC東京のアウェイ動員力、さらにJ1が今年から原則的に土曜日開催となったことの影響があるかもしれない。
序盤戦の低迷が響き6位に終わった昨季王者の柏レイソルだが、動員の方はプラス15.5%と伸びを見せた。今年3月に改修を終えた日立柏サッカー場は、収容人数が「15,900人」から「15,349人」に減少。3,000席増席したのに収容人数が減るという不思議は、昨年までが「座席12,000+立ち見席」により作り出された名目上の数字だったため。実質的な収容能力は当然増えており、柏は今季、“ニュー日立台”で開催した15試合で平均12,166人、収容率79.2%を記録した(残り2試合は国立開催)。
今季、初のJ1を戦ったサガン鳥栖は昇格効果にチームの快進撃が重なり、倍増以上の平均11,991人を動員。最後までACL出場権争いを演じるなど5位という好成績は彼らにとって望外の結果のように見えるが、長い下積み時代を経て咲かせた花であることは確かで、今後、ヴァンフォーレ甲府のように人気が定着していくことも十分に考えられる。
最終節に逆転残留を果たし、感動を呼んだアルビレックス新潟。しかし動員面では、7年連続のマイナスとなった。今季は特にホームゲームで苦戦し、アウェイで7勝をあげながら、ホームでは札幌と並ぶ最少の3勝。ホームで結果が出なければ客足が遠のくのは必然であり、入場収入はもちろんのこと、今年のように苦しいシーズンを送らないためにも本拠地ビッグスワンでの頑張りが必要だろう。
最後にコンサドーレ札幌。34試合で28敗、勝ち点14、失点88、得失点差マイナス63という数字は、いずれもJリーグのワースト記録。この成績では昇格組でありながら思いのほか動員が伸びなかった点も致し方ない。4年間チームを率いた石崎信弘監督は今季限りで退任。財政的に厳しいクラブは戦力面でも大きな見直しを迫られている。
2011年データはこちら。「2011年Jリーグ 観客動員データ ~J1」
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