「世界の人々に福島で何が起こっているか伝えたい」
本日行われるクラブワールドカップ二回戦に臨む、Jリーグ王者サンフレッチェ広島。高萩洋次郎選手、そして森崎浩二選手がFIFA.comのインタビューに答えている。
東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県の出身である高萩洋次郎選手は、被災地域への思いを語った。
「(オークランドとの試合について) 厳しい試合だった。そして我々が勝ったことが重要だった。ポストに当たったシュートは自分が思ったとおりに飛んだ。そのまま入るかと思ったが、当たって跳ね返ってしまった。ゴールを決めて、名前を広めたいと思っていたんだけど。
(東日本大震災について) 家族の家は修復されて戻ることが出来たが、多くの人々が故郷を離れなければならなかった。自宅を津波で流された多くの人が仮設住宅で暮らしている。世界中の人に自分を見て欲しい。被災地から来た人間がここでプレーしていると。復興への道のりは長いけど、いつか実現できるように。それは自分の責任でもあると思う。
我々は今年Jリーグで優勝し、自分自身はベストイレブンに選ばれた。そしてこの世界的なイベントに参加することが出来ている。皆が私を見て福島で起こっていることを考えてくれる。良いプレーをすることはとても重要だ。
多くの人々がまだ困難な状況に置かれている。良いプレーをすることで彼らを笑顔にしたい。サッカーの力で、世界の人々に福島で何が起こっているかということを伝えたい。皆が私の地元を忘れないように。
アル・アハリは熟練したチームで、スピードとパワーがある選手がいる。我々は組織だったパスサッカーで戦いたい。サンフレッチェのサッカーとは何なのか、世界に示したい。そして準決勝に進出するため、この試合に勝つ」
サンフレッチェ広島のユース出身で、長くチームの中心として活躍する森崎浩二選手は、かつて広島市が太平洋戦争で原子爆弾の被害に遭ったことを東北地方と重ねた。
「世界中の人々が、広島は原爆が投下された都市であることを知っていると思う。復興には数十年を要したが、今では素晴らしい場所に生まれ変わった。
この大会は、東北地方の方に、“広島に素晴らしいクラブがある”と印象づけるためのチャンスだと思う。うまくいけば、それが大変な時を過ごしている全ての方々に力を与える。沢山のタイトルを獲得して、広島をビッグクラブにしたい。アジアだけではなく、世界中で大きな存在に」
(筆:Qoly編集部 K)
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