日本 3-3 中国

5' ワン・ヨンポ(PK)

32' 栗原勇蔵

59' 柿谷曜一朗

61' 工藤壮人

81' ワン・ヨンポ(PK)

87' スン・ケー

国内組のみが選出された実質B代表で大会に望むザックジャパン。初戦となった中国との試合は、一時2点のリードを奪うも最終的に追いつかれ、勝ち点3獲得を逃す結果となった。

日本は試合開始から間もない時間帯にユー・ダバオのドリブルを栗原が止められずにPKを与えてしまい、わずか5分で失点を喫する最悪の立ち上がりとなった。

しかし中国も監督が替わってから最初の試合とあってか、開始直後に見せた勢い以外にはそれほど見るべきものがなく、徐々に日本にも攻撃のチャンスが生まれた。

そして32分にコーナーキックからチェン・チーのクリアミスを生かし、工藤がヘッドで折り返して栗原が詰めて同点ゴールを獲得。試合を振り出しに戻してハーフタイムを迎えることに成功した。

後半に入ると守備に改善を見せた日本がペースを握る展開に。59分には駒野のクロスのこぼれ球を青山が拾って波状攻撃に繋げ、槙野のクロスを柿谷が合わせて逆転。さらにその直後、カウンターから高萩のロングパスに柿谷が左から抜け出し、ディフェンスを引きつけて右にパス。フリーになった工藤が冷静にゴールを決め、中国を突き放した。

だが、終盤には逆に中国に押し込まれる展開になり、81分にはワン・ヨンポのシュートがクロスバーに弾かれた後に、クリアを試みた駒野が足を高く上げたことでファウルを取られ、再びPKを与えてしまい失点。さらに87分には左サイドをロン・ハオに破られてクロスを許し、スン・ケーの飛び出しで同点ゴールを決められてしまった。

新しいメンバーで臨んだこともあり、当然だが日本の立ち上がりは極めて悪いものだった。特に守備に関しては、ボールホルダーへのプレスも掛からず、何よりパスコースの寸断が追いついていなかったため、中国の得意なタテに早い展開を許していた。裏に出されれば最終ラインは下がり、コンパクトさも失われてしまう。攻撃でも本田がいるわけでないため、押し上げる時間を稼げはしない。一時はかなりの悪循環に陥っていた。

後半に入ると守備は大きく改善され、その間に2点を決めることに成功。ある程度のパスコースを消すことさえできれば、決して動きが良いわけでもない中国の展開は確実に遅らせることが出来、従ってボールの奪い方も良くなった。

しかしもったいないのは最後にそれが崩れてしまったこと。中国が前線に蹴ってボールの周りに人数を揃え、パワーで押してきたことに対抗できなかった。攻撃を支えていた守備は力を失い、最終ラインが下がり、さらに受け身となった。守りに入ってなお2点を取られるチームでは基本的に勝てない。蒸し暑い環境や栗原の怪我のタイミングも影響したとも思うが、次は最後まで形を維持できるマネージメントを期待したい。

一方中国であるが、こちらもチームは未完成であったと言える。攻撃は勢い以外はほぼアドリブに近く、日本のデータがなかったこともあるのか狙い所もはっきりはしていなかった。

それが固まったのは終盤、スン・ケーの精力的な動きとワン・ヨンポのサポートを中心に、サイドでサイドで起点を作ってパワープレーという流れになってから。こちらも一試合を終えてようやく自分たちの強みが何か、それを生かすためにどうするかということを見いだしたのではないか。

 

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