韓国 1-2 日本
25' 柿谷曜一朗
33' ユン・イルロク
90+1' 柿谷曜一朗
優勝を賭けた第3節で、ホストの韓国と戦うことになった日本。「日本戦に賭ける」と言っていた韓国を前にやや苦戦はしたものの、多くはなかったチャンスをしっかり決めて勝利をものにした。
試合内容としては、特に前半にかなり韓国に押される時間が長く、難しい展開にはなった。両サイド、特にコ・ヨハンの右にボールを収め、カットインとテンポの速いショートパス、サイドバックのオーバーラップで仕掛けて崩してくる相手に押し込まれる場面は多かった。セカンドボールを拾われ、ラインが下がり、前線が孤立し、前の4枚が目立たない状況もかなり目立った。
しかし、その中で先制点を奪ったのは日本であった。コーナーキックからのピンチを防いだ後、相手の高いラインの裏に青山が絶妙なロングパスを通す。オフサイドぎりぎりで飛び出した柿谷がキーパーとの一対一を制し、冷静にゴールを決めて見せた。
その8分後には相手の左サイドからのワンツーに上手く対応できず、ユン・イルロクにミドルシュートを許して同点に追いつかれてしまう。ただ、押し込まれる状況が多い前半でも、決定的と言えるほどのピンチが多くはなかったこと、そして失点がこれだけで済んだことは大きかった。
後半が始まってからしばらく経つと、この暑い過酷な環境で比較的消耗が多いプレーを続けてきた韓国のペースが鈍化し始めた。セカンドボールの奪取の出足に遅れが目立ち初め、前線の動きも減少。
また、日本がやや不調だった槙野をベンチに下げ、駒野を左に移して徳永を右サイドに投入したことで、一対一で後れを取ることも少なくなり、原口に対してのサポートも可能に。
どちらかというと劣勢な状況には変わりはなかったが、ラインが下げられて波状攻撃を受けるというパターンが少なくなっていたため、その分ラインを上げられる時間帯が多くなって、安定感は増した。
最後に入ってきたキム・シヌクの高さには苦しめられることにはなったが、その時間帯にもゴールを奪ったのは日本だった。これもキム・シヌクの落としからの大ピンチを防いだ後のカウンター。左サイドでボールを持った原口が裏に抜け出し、シュート。キーパーが弾いたところを柿谷が拾い、左足で今日の決勝点を決めた。
最後にキム・ジンスのロングスローからユン・イルロクに決定的なシュートを許し、さらにその後のコーナーキックから西川の致命的なキャッチミスが生まれてしまったものの、途中出場の豊田がゴールライン上でブロックし得点に等しい働きで日本を救った。
これで日本は昨日の女子のスコアをひっくり返す形で韓国を破り、アウェイの地で大会初の優勝をあげることに成功した。3試合を通して守備面では問題が出た内容ではあったが、ほとんど経験のないメンバーで戦い、攻撃面で結果を残し、タイトルを獲得できたことは大きい。はっきりとした結果を手にしたことで、これまでのメンバーもウカウカしていられない状況になり、ザッケローニ監督の人選にも良い意味での悩みが生まれてくるのではないか。