今シーズンより、史上初めてプロサッカーリーグでゴールライン・テクノロジーを導入する、イングランドはプレミアリーグ。
これまで数々の誤審が議論の的となり、度々審判問題で揺れてきたプレミアリーグのレフェリングを根本から変革する大きな施策だと世界中から注目を集めている。
このゴールライン・テクノロジーには様々な意見があり、たとえばFIFAのブラッター会長は肯定的に捉えている一方、UEFAのプラティニ会長は断固として否定的な立場をとっている。競技としての根幹を揺るがす大きな変革であるゆえに、サッカー界の中でも様々な意思が存在するようだ。
そんな中、プレミアリーグのスター選手リオ・ファーディナンドが、ゴールライン・テクノロジーはサッカーから楽しみを奪いってしまうのではないかと『Daily Mirror』の記事の中で否定的な見解を示した。ファーディナンドは記事の中で、独自の理論を展開している。
Daily Mirror
リオ・ファーディナンド
「サッカーの世界において、おれは『変革(change)』という言葉が好きじゃないんだ。
サッカーはこれだけ素晴らしいスポーツだというのに、みんないつも何かを変えようとしているじゃないか。あれは一体なぜなんだ?
サッカーには侵すべきでない(great)伝統がある。ゴールライン・テクノロジーに関しても、おれは反対だね。
そういった伝統が、サッカーの試合に楽しみをもたらしたんだ。パブやメディアなどで人々が「今の入ったのか?入ってないのか?」と議論しているようにね。
(誤審だと分かると)結果的にみんながっくりするわけだけど、それが人々を動揺や興奮させてもいたんだ。
10年ほど前のトッテナム戦で、相手のシュートが一度ゴールラインを割ったにもかかわらず、認められなかったことがある。そういうことは往々にして起こりうるし、受け入れるべきだ。
みんな何ごとにも敏感すぎる。そういった要素が、試合をおもしろくする弊害になっていると思う。そのままの方が良いとおれは思うけどな」