今回はまず、こちらのスーパーゴールをご覧いただこう。

こちらは、現地時間22日に行われたブンデスリーガ第22節ハンブルガーSV対ボルシア・ドルトムント戦で生まれた40mオーバーの超スーパーゴールである。

ここまで不振が続くハンブルガーSVだったが、この試合では強豪ドルトムントに3-0と快勝。相手GKのロマン・ヴァイデンフェラーがこれほどあっさりゴールを許すのも珍しい。この試合からハンブルガーSVの指揮を執ったミルコ・スロムカ監督は会心の笑みを浮かべながら、この衝撃の一発を目にしていたに違いない。

この見事すぎるフリーキックを決めた選手こそ、今ドイツで注目を集めるハンブルガーSV所属のMFハカン・チャルハノールである。

ハカン・チャルハノールは1994年2月8日生まれの20歳。トルコとドイツの二重国籍を保有するMFで身長は178cm、体重は69kg(体重はここ数年で増えている)。ハンブルガーSVでは背番号9を背負い、トルコの各カテゴリー別代表でも中心選手として母国を牽引してきた。

ハカン・チャルハノール最大の魅力は、なんといってもその正確無比な右足である。ここまでブンデスリーガで21試合に出場し6得点あげているが、そのうち3つが直接フリーキックであるというから驚きだ。

こちらは今シーズンのブラウンシュヴァイク戦およびヴォルフスブルク戦での直接フリーキックの様子。

ハカン・チャルハノールは曲げるボールはもちろん今回のドルトムント戦のような無回転、さらにはスライダー系のボールを使い分けることができる。

無回転シュートについては、あのジュニーニョ・ペルナンブカーノのキックを参考にしているようで、今回のキックでは右に左にと大きくブレていえるのが分かる。チームにはラファエル・ファン・デル・ファールトというキックの名手がいるが、加入1年目にしてキックを譲り受ける場面もあるあたり、よほど制度委が高いということだろう。

ハカン・チャルハノール

ちなみにこのハカン・チャルハノール、昨シーズンはドイツ3部のカールスルーエに所属していた。

36試合に出場し17得点をあげる活躍ぶりを見せたが、なんとそのうち7点が直接フリーキックだったという。開幕戦のハイデンハイム戦では1試合で2本の直接フリーキックを決めるなど、弱冠18歳にしてシニシャ・ミハイロヴィッチの偉業に近づくという荒業をやってのけた。

フリーキックのモーションは短く、手の振り方はあのロマン・リケルメを思い出させる。

距離を問わないそのシュートレンジから次世代の名フリーキッカー候補として注目を集めるハカン・チャルハノールは、ハンブルガーSVでは2列目での起用が多く、中央でもサイドでもプレーができる。派手なフェイントはないが足下の技術は高く、左足の精度もきわめて高い。

昨年にはトルコ代表にも招集され見事フル代表デビューを飾ったハカン・チャルハノール。ジュニーニョ・ペルナンブカーノが現役引退した今、近未来の名フリーキッカー候補として是非ともその名を覚えていていただきたい。

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