プロサッカー選手にとって大きな悩みとも言えるのが、現役引退後の生活だろう。
そんなプロサッカー選手の引退後の実態について、英国から衝撃の事実が届いた。
引退選手の福祉を考える慈善団体『Xpro』が行った調査によれば、なんと引退した人の33%が引退から1年も経たないうちに離婚しているというのである。
こちらは『Mail Online』が伝えたもので、記事では他にも引退した人の40%が引退から5年以内に破産経験にあっていること、また引退した人の80%が股関節炎に苦しんでいるといった複数の調査結果が発表されている。
かつて、ボルトンやウィンブルドンでプレーし、現在は『Xpro』のマネージングダイレクターを務めるディーン・ホールズワース氏は以下のように語っている。
ディーン・ホールズワース(Xpro マネージングダイレクター)
「全てのプロフットボーラーが、プレミアリーグの上位10-20%のトップ選手と同じようにブランド化されている。
もしあなたがサッカー関係の慈善事業をしようとするなら、それは世間から必要だと言われるものではないかもしれない。場合によってそれは、真実と真逆である。
私たちが向き合っているのはマイノリティではなく、マジョリティなんだ。プレミアリーグの多くの選手は経済的にも福祉的にも助けを必要としていないんだ」
『Deloitte』社が算出したところによると、プレミアリーグ選手の年棒は平均で119万6200ポンド(およそ2億円)である一方、2部リーグに該当するチャンピオンシップではその1/3にまで低くなるという。
ホールズワース氏はまた、将来のことを真剣に考えていない選手もとても多いと指摘しており、クラブとの契約期間が満了に近づいた瞬間パニックに陥る選手もいるとのこと。
日本でもプロ選手のセカンドキャリアについては、多くの課題が残っている。Jリーグと日本サッカー協会では、昨シーズン選手が現役中に指導者ライセンスを取得できるよう講習会を試験的に導入し、サンフレッチェ広島などのクラブが講習会に参加していた。
サッカーの母国ともいわれるイングランドだが、多くの課題が残っていそうだ。