間近に迫った2014年のワールドカップにおいて、誰もが注目している点の一つに、アルゼンチン代表のエース、リオネル・メッシが真価を発揮できるのか?という問いかけがある。
これまで、クラブレベルでは名だたる賞を獲得し続けてきたメッシだが、ワールドカップでは2006年のドイツ大会、2010年の南アフリカ大会ともにドイツに敗れ、ベスト8止まり。得点もドイツ大会のセルビア・モンテネグロ戦であげたわずか1得点にとどまっている。
現在のサッカーシーンではポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドと双璧をなす、世界のスーパースターであるメッシ。
一か月前、そのロナウドのマンチェスター・ユナイテッド初期時代を振り返ったこともあり、今度はメッシの若き日の姿もプレイバックしてみたい。
10代らしい線の細さとバタつきに加え、彼の特徴である正確かつ細かいタッチのドリブル、そして決定力。トップ昇格前からバルサの未来を担うタレントとして注目されていたメッシだが、「何がすごいのか」と言えば、たとえばロナウドのような分かりやすい凄みではなかった。ここまでの選手になると、当時どれほどの人が思っていただろうか。
ただ、動画から感じ取れる“違い”として挙げられるのは、走りながら相手との間でボールを触るセンス。間合いやタッチのタイミング、角度は改めて見るとやはり特別なものを感じさせ、こうした技術と判断力の差、さらにはメンタル的な強さが、毎年数多く輩出される「スター候補」との違いとなって今では表れている。
その後メッシは、2004年10月16日のエスパニョール戦でリーガデビューを飾り、翌2005年5月1日のアルバセテ戦で記念すべき初ゴールを記録。
得意のループシュートで決めた、17歳10か月と7日での初ゴールは、後にボジャン・クルキッチに破られるまでクラブの最年少得点記録であった。
そしてシーズン終了後、アルゼンチン代表としてU-20ワールドカップへ出場。
ここで優勝、得点王、大会MVPとタイトルを総なめにし、スーパースターへの階段を駆け上がって行ったのである。