17位、13位、15位、そして2014シーズンも15位と、成績だけを見れば特筆すべきところのない、柱谷哲二監督率いる水戸ホーリーホック。しかしその間、3,349人(2011年)→4,734人(2014年)という平均入場者数の増加ぶりを見ても分かるように、チームに対する評価は大きく変化している。
戦力的に恵まれているとは決して言えず、活躍した選手も期限付き移籍であれば所属クラブに帰還、そうでなくてもすぐに引き抜かれてしまう水戸だが、クラブとしてスタイルを貫く方針はJリーグでも屈指。現役時代「闘将」と呼ばれた柱谷監督のもと、持っているものを100%出し切るサッカーを信条としており、上位進出は難しいながら残留争いにも絡むことなく、着実に増えるサポーターの声援をバックにJ2で存在感を見せている。
柱谷体制5年目の今季は、4年間プレーした地元・茨城県出身の元日本代表FW、鈴木隆行が退団。チームとしての節目を迎えたが、昨季チーム最多得点のFW吉田眞紀人(名古屋)、同2位のFW馬場賢治(湘南)を完全移籍で獲得。湘南からは他にFW宮市剛、MF岩尾憲も期限付き移籍で加わっている。
水戸は昨年のホーム最終戦において、2015シーズンの新ユニフォームデザインを公開。それが改めて発表され、ホーム(1st)は、伝統的な濃淡の青を用いたグラデーションを採用。首もとには昨季と同じく差し色として赤が入れられている。
サプライヤーは4年目のガビック。
パンツもグラデーションだが、注目は何と言っても上の画像では空白のパンツスポンサーだ。
水戸は22日、今季のユニフォームスポンサーとして、ガールズ&パンツァー製作委員会と契約したこと発表。
『ガールズ&パンツァー』、通称「ガルパン」は、「戦車道」が茶道や華道などと並ぶ女子の嗜みとして親しまれている世界において、水戸のホームタウンの一つ、茨城県大洗町に由来する「大洗女子学園」の生徒たちが奮闘する人気アニメ。2012年秋から2013年にかけて放映されるとその熱いストーリーが大きな話題となり、アニメの中に実在の場所が登場する大洗町はファンが詰め掛け“聖地"となった。
アニメを見た水戸の沼田邦郎社長も、限られた戦力で強豪校に立ち向かう主人公らの姿に自分たちのクラブを重ね、ガルパン関係者らと意気投合。様々なコラボ企画に加えて昨年、コラボユニフォームも発表している。(水戸の試合に行くとコラボユニを着ているファンが意外と多い)
そして、夏に劇場版の公開を控えた今年、満を持して?ユニフォームスポンサー契約を締結。アニメを象徴する「あんこう」のかわいいロゴがパンツに入った。
一つのアニメ作品が、Jリーグクラブのユニフォームスポンサーになるのはおそらく初めてだろう。
一方アウェイ(2nd)は、日本三名園の一つである水戸の偕楽園をフィーチャーし、同園の名物である「梅」をモチーフとして取り入れたピンクのユニフォームを採用。
Jリーグが開幕する春の到来を待ち遠しくさせるデザインだ。
3種類のGKモデルは、黒のホーム、赤のアウェイ、黄色のサードというラインナップ。いずれもFP用ホームと同じテンプレートと使用している。
ユニフォームスポンサーは、胸の「ケーズホールディングス」が継続。パンツは上記の通り「ガールズ&パンツァー」で、背中と袖は今のところ空白となっている。