アトレティコ・マドリーとのCL準々決勝2ndレグを1-0と制したレアル・マドリー。

今シーズン8度目の対戦にして、初めてアトレティコから白星を飾っている。

ディエゴ・シメオネが築いた強固な守備網に、レアル・マドリーはこの日も手を焼いた。しかし、76分にアトレティコ・マドリーMFアルダ・トゥランがこの日2枚目となるイエローカードを受け退場すると、試合はマドリーが押し込む展開に。

そして迎えた88分、この日先発出場のチャンスを得たFWチチャリートがクリスティアーノ・ロナウドからのパスを冷静に流し込み、決勝弾をゲット。レアル・マドリーが“8度目の正直"で準決勝に駒を進めた。

今シーズン、新天地でなかなか出番の回ってこなかったチチャリート。それだけにこの一戦にかける思いは相当なものであったはず。その気持ちの入りようはゴール後の咆哮からも窺い知れたが、こんなシーンが話題となっている。

こちらはゴール直後の92分、ヘセとの交代でベンチに下がったチチャリートの様子である。

右足をやや痛めたようでメディカルスタッフからケアを受けているのだが、しばらくすると両手で顔を覆い天に祈りを捧げ始めた。GKケイロル・ナバスから声をかけられるとギュッと抱きつき、離れようとしない。

そして、メディカルスタッフが再び近付いた時だった。鼻を真っ赤にし、瞳に涙を浮かべたチチャリートの姿が映像に収められていた。

スペイン『AS』はこのシーンについて、「感情的な涙」と表現している。右足の痛みやそれ以外の理由も考えられるが、やはり感極まっていたと考えるのが一般的であろう。

ギャレス・ベイルとカリム・ベンゼマの負傷により、その選手層の薄さが心配されていたレアル・マドリー。しかし、そんな状況のチームを救ったのは誰よりもゴールに飢えていたメキシコ生まれのストライカーだった。史上初の欧州連覇を目指し、エル・ブランコは価値ある一勝をあげている。

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