それは2000-01シーズンのリーガ・エスパニョーラ、最終節のことだった。
このシーズンのリーガは、ルイス・フィーゴがバルセロナからレアル・マドリーへ“禁断の移籍”を果たしたことで知られ、リーグ最高の選手が加わったマドリーは2年目のビセンテ・デル・ボスケのもとで最良のバランスを見い出して優勝。CLではベスト4に終わったもののクラブ史に残る名チームであったと評価されている。
一方、“奪われた側”のバルセロナは前年2位に終わったリーグタイトルの奪還どころか、成績不振によりシーズン途中でロレンソ・セラ・フェレール監督を解任。1998年に横浜フリューゲルスを率いたカルロス・レシャック氏が後任を務めたが、5位という順位で運命の最終節を迎えた。4位は前シーズンの王者であるバレンシア。両者の間には勝ち点にして3ポイントの差があった。
・・・といった前置きも特に意味を持たないだろう。とにかく、2度リードを奪ったバルセロナが2度バレンシアに追いつかれ、最後は終了間際のオーバーヘッド(バイシクル)で決着。そして、バルサ3点すべてを決めたのがブラジル代表のリヴァウドであり、すべてがゴラッソだった。
改めて、あの驚異的なハットトリックを振り返ってみよう。
リヴァウドはフィーゴの前年、1999年のバロンドール受賞者で、この試合の一年後にはロナウド、ロナウジーニョと「3R」を組み日韓ワールドカップを制した。
それにしても、完璧なフリーキックに豪快なミドルシュート。さらにはフランク・デ・ブールのロブから、美しすぎるオーバーヘッド・・・。今見ても本当に漫画のようなハットトリックだ。
彼の大活躍によりバレンシアを3-2で下したバルセロナが直接対決の結果で上回り、CL出場権を獲得したのがまさに今日、6月17日のことだった。