14日、アーセナルはバーゼルからエジプト代表MFムハンマド・アル・ナーニーを獲得したと発表した。
It’s official! @ElNennyM has joined @Arsenal https://t.co/EXB8o9Fbu6 #ElnenySigns pic.twitter.com/DWHoBL7DtB
— Arsenal FC (@Arsenal) 2016, 1月 14
アル・ナーニーは豊富な運動量を生かした攻撃参加や両足から繰り出す精度の高いシュートが武器のセントラルミッドフィールダー。U-23エジプト代表の一員としてロンドン五輪にも出場している。
バーゼルでは柿谷曜一朗とも一緒にプレーしており、先日サッカー中継の解説に登場した播戸竜二によれば、柿谷も「運動量もあってボールも捌けてすごく良い選手」と評価しているようだ。
故障者が続出するチームを救うべく獲得されたこのアル・ナーニーだが、一体どのように発音するのだろうか?
そもそもの話だが、彼の出身地であるエジプトの母国語はアラビア語。世界で三番目に話者が多いとされており、主に北アフリカや中東で使用されている。
ムハンマド・アル・ナーニーのアラビア語表記はこのようになる。
محمد النني
む、むう…。普段なかなかアラビア語に接することのない人にとってはどこをどう読むのかさえちんぷんかんぷんである…。
アラビア語はラテン語とも大きく異なっているため欧州などの人たちはこれを一度アルファベットに直して発音するのだが、その際の規格が統一されていないのだ。
そのため、الننيの英語表記には「El Neny」や「El Nenny」、「Elneny」、「Elnenny」といった具合に大きなバラつきが見られる。
もちろんこれらはどれも間違いではない。場合によってアルファベット表記が変わってくるのだ。
日本語をアルファベットに転写する際、我々はローマ字のルールに従っている。そのため「寺」はTeraと書く以外にないし、Emojiはすでに国際語として浸透している。
そのように一般的なルールを持っている我々にはイメージしづらいが、アラビア語の名前では兄弟でアルファベットのスペルが違っていたという例もあるのだ。
さらに、アラビア語をアルファベットに直す際でも地域によって違いがあったりする。
たとえばالـ。
これは定冠詞であり、正則アラビア語では「AL」と直すが、北アフリカ方言では一般的に「EL」と表記される。
ミランでプレーしていたStephan El Shaarawyもそうだ。
エル・シャラウィはエジプト人の父を持ち、名前にこのالـがつくが、アルファベットに直すと「EL」となっている。他にもモロッコやチュニジアといった北アフリカでは「EL」になる。そしてもちろん英語の「E」は「エ」ではない。
アル・ナーニーの表記が日本語でも様々であるのには、まずこうした前提があるのだ。