昨夏、スタンダール・リエージュからローマへと加入したMFヴィリアン・ヴァンキュール。

ナントのユース出身で、ドリブル突破やスルーパスだけでなく、戦う姿勢を前面に出して率先して汗をかくこともあるという攻守の両面でチームに貢献できるプレーヤーである。

そんなヴァンキュールは7日、小中学生に向けた教育プログラムに参加した。

"A Scuola di Tifo"というこのプログラムは、ローマが支援するキャンペーン。人種差別をなくそうと子どもたちに訴えるものなのだが、このイベントの中でヴァンキュールはある少年と写真を撮っている。

写真の中央でヴァンキュールは1人の少年とセルフィーしているのだが、実はこの少年には、ヴァンキュールに向けて以前人種差別的な発言をしていた過去がある。

この男の子の名前はシモーネ・チェピー。ナポリ在住の16歳のラツィオファンで、先週末に行われたローマダービー終了後、ヴァンキュールがInstagramに投稿した内容に対して猿の絵文字を多量に送った。

これを見たヴァンキュールはTwitter上で言及。シモーネのアカウント名とそのキャプチャー画像を写真で載せ、人種差別と戦う意志を示した。

ヴァンキュールは世界中にフォロワーを抱えるインフルエンサーだ。おそらく、シモーネのもとには多くの苦情や批判のコメントが寄せられたはずだ。

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