『ESPN』は「リオネル・メッシのユニフォームを受け取ったアフガニスタンの少年が亡命が余儀なくされた理由を、父親が語った」と報じた。

今年2月、ビニールで出来たシャツに10番とリオネル・メッシの名前を書いていた少年の写真が大きな話題になった。

リオネル・メッシ本人サイドがこの写真の情報を求めた結果、当初は「イラクではないか?」と言われていたものの、最終的にはアフガニスタンに住む5歳の少年ムルタザであることが明らかになった。

後にメッシが送ったサイン入りのユニフォームが彼の元に届いているとも伝えられている。

ところが、彼ら家族は現在アフガニスタンに住むことが出来なくなっているのだ。隣国のパキスタンへと亡命し、その後首都イスラマバードからクエッタへと移住している。

その理由について、少年の父親に当たるムハンマド・アーリフ・アハマディ氏が電話取材で明かした。

ムハンマド・アーリフ・アハマディ

「人生は、我々にとって悲惨なものになってしまった。その理由は、タリバーン(イスラム過激派組織)から送られてきた手紙だった。

手紙の中には、『なぜ息子にイスラム神学校でコーラン(イスラム教の経典)を学ばせず、サッカーをやることを許し、奨励しているのか』ということが書かれていた。

電話によってより多くの脅迫が行われるようになった。それが、故郷を離れた理由である。

私は全ての持ち物を売り、家族をアフガニスタンから連れ出した。息子、そして家族の命を守るために」

「(アフガニスタンサッカー協会は、メッシかユニセフ親善大使との会談を手配すると言っていたが)

それは今のところ行われていない。ただ、まだ息子はいつかメッシと会えることを願っているよ。彼のヒーローとね」

2001年までアフガニスタンの政権を握っていたタリバーンは、イスラムの教えに則りスポーツなどの娯楽を厳しく制限し、スタジアムは公開処刑のために使われるようになった。

その後政権が崩壊したためにスポーツは復活しつつあるものの、各地で武装勢力として生き残りテロ活動を続けていることから、国の治安が悪化している状況にある。

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