FC東京は4日、ビンズオン省ゴーザウスタジアムで行われたACLグループステージE組の最終節、ベトナム王者ベカメックス・ビンズオン戦に2-1と勝利した。
この一戦にはFC東京のサポーター約500人が詰めかけたが、観客席で応援する彼らと離れ、ピッチ脇で試合を見守る日本人老夫婦の姿があった。現地の『Bóng Đá』が伝えている。
70歳のシマムラ氏は、車椅子に乗った67歳の妻と共に東京から訪越し、グループステージ突破をかけたFC東京の大一番を観戦した。
気温34度に上る、うだるような暑さの中、FC東京のサポーターたちは試合開始3時間も前からスタンバイ。その中に老夫婦もいた。
老夫婦は試合中、ピッチ脇に設けられた障害者用観覧席でレプリカユニフォームを着て、愛するFC東京を応援した。
シマムラ氏は、
「妻も私も大のFC東京ファンで、6時間かけて、はるばるベトナムまでやってきました」
と話しながら、在日本・ベトナム大使館で行われたイベントの写真などを見せてくれた。
隣に座った妻は記者に何も語らず、夫とは身振り手振りを交えて話していたが、記者の言っていることは理解しているようだった。妻は健康上の問題で自力で歩くことができないため、スタジアム側は夫婦が安全に観戦できるようボランティアスタッフをつけてピッチ脇に案内したという。
総勢500人のFC東京サポーターたちは観客席から熱い応援でチームを鼓舞し続けたが、ピッチ脇で試合を静かに見守る老夫婦の存在もまた、選手たちに力を与えたことだろう。
グループステージを2位で突破したFC東京は、ラウンド16で上海上港(中国)と対戦する。