フランス遠征中のU-23日本代表は23日、トゥーロン国際大会の2試合目でポルトガルと対戦した。

ロングボールの落下地点を予測できないほど強風が吹くなか、日本は風下にたった前半、なかなか前への推進力を上げられず、一瞬の隙からこのゴールで失点を許してしまう。

前半22分、味方とのコンビネーションからアンドレ・オルタに見事なボレーを決められた。

風上にたった後半は一気に攻勢を強め、浅野拓磨、オナイウ阿道らが何度もゴール前に迫ったが決定力を欠き、0-1で敗れた。

日本はこの大会に久保裕也、中島翔哉ら攻撃の核となる選手を負傷で欠いて臨んでいるが、さらに初戦のパラグアイ戦で岩波拓也、亀川諒史が負傷し、満身創痍の状態だ。

とはいえ、ポルトガルは初戦のパラグアイと同じく20歳以下の選手によって構成されたチーム。そんな年下の相手に連敗を喫することになってしまった。

2試合とも相手に決定機を与えたのは失点のシーンくらいで、優位とはいえないまでも負けるような内容ではなかった。しかしほんの僅かな隙を突かれて先制を許し、苦しい展開を強いられた中で押し切られてしまった恰好だ。

パラグアイ戦後、腕章を巻いた矢島慎也は「少ないチャンスで2点決める。それがアジアとの違い」と話した。

サッカーの質では、確かに年下の相手を上回っていたと言えるだろう。しかし、事前にQolyでも紹介したが、パラグアイ戦では16歳でプロデビューし、ユナイテッド、リヴァプールなどから熱視線を浴びるセルヒオ・ディアス(18歳)、ポルトガル戦ではリカルド・オルタの弟でベンフィカ移籍も有力される10番アンドレ・オルタ(19歳)に決勝ゴールを奪われてしまった。

年齢的には若いが既に歴戦の“大人”相手に経験を積み、劣勢に耐えながら個人で試合を決められる選手を彼らは持っていたのだ。それをまざまざと痛感させられたのがこの2試合だったといえる。

今大会、日本が優勝する可能性はなくなり、3位決定戦への進出も困難になったが、まだ残り2試合を戦うことができる。五輪本番前にこの感触を得ることができたのは幸いだった…そう言えるための大会にしなければならない。

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