なかでも、キャプテンを務めたアドリア・カプテビラの対応は凄かった。

一人ひとりの頬にしっかりと手をやり、まるで何かを語りかけるようにして励ましの言葉を送ったのだ。優勝を決めた直後、ここまで誠意を持って相手を励ますのはなかなかできることではない。

そしてこうした行動を、バルセロナの一人ひとりが取っていた。

おそらく言葉は通じないはずだ。それでも選手たちは大宮選手の頭を撫で、抱きかかえ、勇敢な敗者を讃えた。

バルセロのカンテラには寮があり、そこではサッカーだけでなく勉強や人間形成をサポートするプログラムも用意されているという。

試合に勝利した後でも対戦相手に敬意を払うというメンタリティは、そうしたなかで育まれたに違いない。

バルセロナを本部とする地元紙『Mundo Deportivo』も、両チームの心の交流を報じた。

また、46万人のフォロワーを抱えるバルセロナ下部組織のTwitterアカウントも、日本のユーザーがあげた動画を引用する形でこの素敵な光景を紹介した。

サッカーというスポーツの素晴らしさ、そして世界最高と言われるバルセロナ下部組織の凄みが凝縮されたようなシーンであった。

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