サッカー界で語り継がれる伝説のプレー。ディエゴ・マラドーナの「神の手」ゴールもそのひとつだろう。

1986年のワールドカップ・メキシコ大会、準々決勝のアルゼンチン対イングランド戦で、マラドーナの手に当たったゴールが有効と認められてしまったあのシーンだ。

あれから31年ほどが経つなか、『BBC』があるニュースを伝えていた。

あの試合で副審を務めたブルガリア人のボグダン・ドチェフさんが80歳で亡くなったという。

主審だったチュニジア人のアリ・ビン・ナセル氏は後年、ドチェフさんが何かを見たのか否かの指示を出してくれることを待っていたと述べていた。

そういうこともあり、『BBC』でも、ドチェフさんについてはマラドーナのハンドを見落としてしまった人物として伝えている。

そのドチェフさんはかつてこう語っていたという。

ボグダン・ドチェフ

「ディエゴ・マラドーナは私の人生を壊した。

彼は素晴らしいサッカー選手だ。だが、小さな男だ。

身長も低かったし、人間としても(小さかった)」

また、別の機会にはこうも述べていたそうだ。

ボグダン・ドチェフ

「私はすぐに正当でないものを感じた。だが、当時のFIFAは副審が判断について主審と話し合うことを認めていなかった。

もしFIFAがあんなにも重要だった試合にヨーロッパの主審を割り当てていたなら、マラドーナの1点目は認められていなかっただろう」

一方、あの得点が決まった後にドチェフさんのほうを見ていることが確認されていたナセル氏はこう口にしていた。

アリ・ビン・ナセル

「実際には何が起きていたのかについてのヒントを、ドチェフがくれることを待っていた。だが、彼はハンドのシグナルを出さなかった。

試合前にFIFAが我々に伝えた指示は明確だった。もし同僚(副審)が自分よりいい位置にいたなら、そちらの意見を尊重すべき(というものだった)」