久保裕也が移籍したMLSのFCシンシナティはオランダ人のロン・ヤンス監督が辞任したと発表した。
MLSの調査でいくつかのテーマが明らかになったため、指揮官が辞任を申し出たとしている。
『voetbalzone』によれば、ヤンス監督は人種差別的言動で告発されていたという。「ニガー」という言葉の入ったラップソングを歌うこともあったという指揮官について、選手たちは選手組合に告発していたとも。
その一方、MLS選手組合は「ここでの(問題)行為が歌詞に沿って歌を歌ったことを含むという話は完全なる嘘。特定の選手が告発したというのも嘘」として、虚偽の情報で世論を操作しようとする動きがあるとの声明を出しており、事態は混迷している。
電撃辞任したヤンス氏はこんな例を挙げて釈明している。
ロン・ヤンス
「無実の例を挙げよう。
私はある選手にバスケットボール選手なのかを聞いた。(シンシナティのジャマイカ代表FW)ラショーン・ダリーだ。
自分はNBAが大好きでね、彼はカワイ・レナードと同じファーストネームだと思った。
だから、『君はオールスターのMVPになったあのバスケ選手を思い起こさせるな』と言ったんだ。
LAクリッパーズのとてもいい選手で、その前はトロント・ラプターズにいた」
名前自体は違うはずだが、ダリ―とレナードはともに黒人系の選手。その2人の姿はこちら。
風貌がそれほど似ている感じではないが…。
ただ、ヤンスと旧知のなかである同じオランダ人のヘラルト・ナイカンプ氏はこう明かしている。
ヘラルト・ナイカンプ(FCシンシナティのディレクター)
「ロンの働き方を困難だと感じている選手が数人いることが分かった。
オランダではちょっとした笑いごとで済むことがあるが、アメリカでは文化が違う。センシティブで複雑だ。彼らは彼らのやり方で反応する」
また、シンシナティのジェフ・バーディング会長は、ロッカールームでNワード(ニガー)を使ったということだけでなく、「より広範な問題。全体像についてであり、容認できない発言についてだ」とヤンスを断罪したという。
この会長の発言を聞かされたヤンス氏は「非常につらい。全く異なる話が語られている。自分はウソつきにされている。文化的な違いがあったのかもしれない。自分は鈍感すぎた。これに戦うことはできない」と吐露しており、双方の捉え方には乖離があるようだ。
昨年MLSに新規参入したシンシナティはオランダとの繋がりが強いクラブなのだが、今後はどうなるのだろうか。
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