現在世界的に感染を広げている新型コロナウイルス。それによって引き起こされる肺炎が悪化した場合、救命のためには人工呼吸器が必要になる。

しかし人工呼吸器は高価な機械であり、安全に使える人員も必要になる。そのため増産が追いついておらず、資金に余裕がない地域には届かない。

それを解決するためスペインでは今回『Ventijet』という激安人工呼吸器が開発された。

これは開発メンバー14名がボランティアで設計をしたこともあり、現状は原価での提供を予定。そのため価格は1台およそ2000~3000ユーロ(およそ24~35万円)に抑えられているとか…。高価な機械は2万ユーロ(およそ240万円)するものもあり、比較すると6分の1以下の価格となる。

そして『Antena3』が伝えたところによれば、このVentijetの開発に関わった14名のエンジニアの中に、なんと「現役のサッカー選手」がいるという。

それはスペインのセグンダB(3部)で戦うイビサに所属しているDFアレックス・キンタニージャ。

彼はもともと流体力学を専門としている工業エンジニアでもあり、新型コロナウイルスで試合が中断された後は企業と提携しながら人工呼吸器の開発に没頭したという。キンタニージャのインタビュー動画がこれだ。

キンタニージャは「趣味がエンジニアリングなだけのサッカー選手だよ」と語っているそう。

『El Correo』によれば、このVentijetはかつてカディスのプエルタ・デル・マール病院の局長だったルーカス・ピカソ氏が1995年に特許を取得したものだとのこと。

プロジェクトはその後凍結されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックが起こった際、ピカソ氏には「開発を再開して欲しい」と連絡があり、義理の息子であるキンタニージャらに設計の近代化改修を依頼したのだそう。

Ventijetは週に40台を生産することを目標としており、バスク政府や12の企業から支援を受けているという。

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