アメリカで起きた黒人男性の死亡事件を契機にサッカー界でも人種差別に反対する声がふたたび高まっている。
若くしてイタリアに渡った元アメリカ代表FWファブリス・ピコールも現地で受けた差別を明かした。
FCダラスに所属する29歳の彼は、ハイチ人移民の両親のもとニューヨークに生まれた選手だ。
若くしてイタリアに渡り、カリアリで育成された経験を持つ。クラブ公式が伝えた動画のなかで、カリアリで経験した差別についてこう述べた。
ファブリス・ピコール(現FCダラスFW)
「イタリアに渡った時は16歳頃で、17歳頃にはトップチームにも上がった(出場はしていない)。
「当時のリザーブチームを率いていた監督は自分が出会ったなかで最低の人間のひとりかもしれない。
毎日、彼から猿と呼ばれ、アフリカのジャングルに帰れ、黒人にはテクニックがない、ただ速いだけ、走るためにお前を買ったなどと言われた。
自分を連れてきたのは会長であり、彼ではなかった。でも、彼は自分が連れてきたと言っていた。
トレーニングの際、彼が言うことはひどいことだけだった。自分が他の若手に何かするように言えば、『ダメだ、お前がやれ、黒人なんだから』と。
ロッカーに猿のシールも貼られた。週に2回は殴り合いの喧嘩をしていた」
当時の彼はAPプログラム(高校生に大学の初級カリキュラムを提供する早期履修プログラム)を自宅で学習しているほどだったが、黒人だからという理由で不当な扱いを受けていたようだ。
その後、スパルタ・プラハ、ザンクトパウリにも所属したピコール。2017年からプレーするMLSではこんなスーパーゴールも決めている。
ファーに巻く素晴らしい一発!
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なお、彼は2018年のプレシーズンマッチで攻撃的な発言をしたとして、相手選手とともに3試合の出場停止になったことがある。