先日発表されたアーセナルのプレミアリーグ登録メンバー。そこにはなんとメスト・エジルの名前がなかった。
アーセナルでは長く中心的な司令塔としてプレーしてきたが、今は全く戦力として扱われない状況にある。
今年3月から全く出場機会が与えられていないエジルは、ついにこのクラブの判断に対して不満を表明。SNSで「彼らは忠誠に応えてくれない」と声明を発表した。
そして、そのメッセージの最後に書かれていたのは「可能な限り、正義のために非人道的な不誠実に立ち向かっていく」というコメントだった。
確かに、ややサッカークラブに対しての声明としては不思議な締めとなっていたために注目される結果となっていた。
そして今回『Daily Mail』が報じたところによれば、エジルはアーセナルから干されてしまった理由を「自分が中国の政府を批判したためだろう」と考えているのだという。
ムスリムであるエジルは、昨年12月にInstagramで「中国は新疆ウイグル自治区のウイグル人を虐待している」と批判する投稿を行った。
それを受け、中国の外務省やサッカー協会がエジルを批判。さらに国営放送であるCCTVはアーセナルとマンチェスター・シティの試合の放送を取りやめた。
加えてウイニングイレブンの中国語版からはエジルの存在自体が抹消され、中国独自のSNSであるWeiboでも彼のアカウントが削除された。そこには400万人ものフォロワーがいたにもかかわらずだった。
アーセナルは中国でレストランチェーンを展開しているほか、宝くじ業者や自動車メーカーとも大きなパートナーシップを結んでいる。プレミアリーグの中でも中国での商業的活動に積極的なクラブの一つだ。
エジル自身はとくにそれが原因で…というコメントをしているわけではないため、真相は明らかではない。ただ、彼のSNSでの声明についていえば、この場合たしかに筋は通るようにも…。