昨年1月にクリスティアーノ・ロナウドを獲得して以来、多くのスター選手が渡っていったサウジアラビアリーグ。
サウジアラビアの政府系投資ファンド(PIF)がアル・ナスル、アル・イティハド、アル・アハリ、アル・ヒラルの4クラブを買収し、巨額の資金を投入した。
その結果、昨年夏にはルーベン・ネヴェスやミリンコヴィッチ=サヴィッチ、カリム・ベンゼマ、ネイマール、ガブリ・ベイガ、ファビーニョ、サディオ・マネ、リヤド・マフレズなど有力な選手がサウジアラビアリーグへと移籍。
夏のマーケットにおける移籍金の総額は、世界のリーグで3位となる8億7350万ドル(およそ1300億円)に及び、プレミアリーグとフランス・リーグアンに次ぐものになった。
また、カリム・ベンゼマやクリスティアーノ・ロナウドに支払われる年俸は2億ドル(およそ160億円)を超えるものだと伝えられており、しかも2年間サウジアラビアにとどまれば税金の支払いも免除されるという。
ヨーロッパのサッカーをも脅かす存在になると思われたサウジアラビアであるが、今回リーグのCOOを務めているカルロ・ノーラ氏が『Broomburg』に答えたインタビューの内容が話題になっている。
サウジアラビアリーグはこれらの投資にもかかわらず、昨季と比較して1部の平均観客数が10%減少し、8321人となっている。
また、投資ファンドによる予算の注入は3年分のものであり、それが追加されることはないそう。各クラブが来季に向けての補強を行うためには選手を解雇、あるいは売却しなければならないとのことだ。
カルロ・ノーラ氏は「契約は1シーズンだけのものではない。資金を捻出するのであれば、選手を解雇するか売却する必要がある」と話している。
またサウジアラビアは2027年のアジアカップ開催に向けてスタジアムに投資を行なわなければならない状況にあり、リーグの各クラブは今後持続可能性と自給自足の経営が求められるとのこと。
サウジアラビアは現在、経済における石油への依存度を下げるためのプロジェクト「サウジビジョン2030」を進めており、サッカーへの投資はその一環でもあった。
人権の問題や政府の独裁性などを抱えているサウジアラビアは、国のイメージを高めるためにもサッカーを利用した…と考えられているが、今のところ予想ほどの結果を出せていないようだ。