今シーズン限りでの退任が発表された川崎フロンターレの鬼木達監督。

風間八宏監督の後を受けて就任した2017年以来、8シーズンで計7つのタイトルを獲得と、「無冠」だったクラブを異なる姿へと変貌させた。

そんな鬼木体制の川崎では、多くの選手が成長し、チームの躍進を支えただけでなく現在は日本代表や海外で活躍している。

そこで、ここ8シーズンの川崎において、とくに大きく成長した選手をピックアップ。ここでは鬼木監督就任以降に加入した選手に限定して5名紹介する。

家長昭博

川崎フロンターレ在籍:2017~

まずは、鬼木監督が就任した2017年に大宮アルディージャから加入し、いまだピッチ上で大きな影響力を与え続けている家長昭博だ。

FC東京へ移籍した大久保嘉人に代わり、鳴り物入りでの新戦力だっただけに期待値は大きかったが、川崎のサッカーへの順応に苦労。「正解」を導き出すためトップ下や1トップでも起用された。

しかし2017年8月、3-1と快勝した鹿島アントラーズで待望の移籍後初ゴールを記録すると、川崎の右サイドは彼のものに。加入1年目ながら悲願の初タイトル獲得の原動力となった。

翌2018年には、リーグ連覇を達成すると同時に個人としても初のJリーグMVPを受賞。
中村憲剛引退後はチームの基準となり、鬼木監督とともに「強い川崎」を形作った。

守田英正

川崎フロンターレ在籍:2018~2020

現在、日本代表の主軸を担っている守田英正。彼もまた鬼木監督の川崎フロンターレにおいて、栄光と挫折を経て一回りも二回りも大きくなった選手の一人だ。

2018年に加入した守田は、初公式戦のスーパーカップでいきなり右サイドバックとして途中出場。リーグ戦では前年優勝メンバーのエドゥアルド・ネットからポジションを奪取し、同年9月には早くも日本代表デビューを飾る。

その年のリーグ連覇に大きく貢献したが、翌年のアジアカップ直前に負傷離脱して以降は苦しい時期を経験。パフォーマンスを落とし、その間に台頭してきたのが後輩として可愛がっていた田中碧だった。

2020年も控えでスタートしたものの、4-3-3の新たなスタイルの中でアンカーとして成長。後半戦、チームの核となった守田のプレーは当時プロフィールで「憧れ・目標とする選手」に挙げていたセルヒオ・ブスケツのようだった。