日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『JPFAトライアウト』が11日、12日に開催された。今季契約満了を言い渡されたJリーガーたちがピッチ上でスカウトにアピールした。
千葉への気持ちは「人1倍ある」
11日の部に参加したFW齋藤来飛(らいと)は、J2ジェフユナイテッド千葉を退団したFW高木俊幸とトップ下でコンビを組み、約25分の紅白戦に臨んだ。
「高木選手と一緒にプレーできて、いろいろなところを吸収しようと思いましたし、(高木に)合わせられるようなプレイヤーになりたいと思いました」
千葉の下部組織で育ち、今季は育成型期限付き移籍でJFLのラインメール青森でプレーした。東北の地で培った経験を武器に、トライアウトでのアピールに燃えていた。
身長164センチと小柄だが、パンチ力のあるシュートを持っている。隙があればシュートを狙おうと、物怖じせずにボールを要求し続けたが、なかなかパスが回ってこない。20歳は初めて参加したトライアウトの難しさを口にした。
「最大限のプレーを出してやろうと思いました。でも初めて会う選手が多くて、自分の実力を出し切れなかったと思っています」
今季はリーグ戦29試合に出場した。コンスタントに出番を増やしていた一方で、前線の選手として得点を奪えなかった。この日も、急造チームの中で結果を残せず、取材時の表情は曇っていた。
「シーズン中から活躍して、オファーが来たチームに行くことが目標でした。でもオファーがなくて、チーム内での状況も良くなくかった。それで自分からトライアウトに参加すると決めました」
青森から事前に退団の発表はされていなかった。「他のチームからのオファーもあるかもしれませんし、早く出したい気持ちはあるんですけど…」と、JFLをボーダーラインに新天地を一刻も早く見つけたい。
千葉での活躍を夢見て努力し続けたが、目標には届かなかった。それでも齋藤は「また(千葉に)呼ばれるような選手になりたいという気持ちは人1倍あります」と前を見据えている。
「千葉に来てから…」FW高木俊幸に訪れた気持ちの変化「俺、もっとサッカーしたいんじゃん」
少しでもレベルの高いチームを目指して、ここからまたサッカーに打ち込む。20歳はフクダ電子アリーナに戻り、活躍する日を待ち望んでいる。
(取材・文・写真 浅野凜太郎)