佳境を迎えているASEAN三菱電機カップ。「東南アジアのワールドカップ」ともいわれる東南アジア最強の代表国を決めるトーナメントだ。
決勝に進んだのは、石井正忠が率いるタイ代表とベトナム代表。
2日に行われた決勝戦1stレグは、ホームのベトナムが2-1で先勝している。全2ゴールを叩き出したのは、ブラジルからベトナムに帰化したグエン・スアン・ソンことラファエルソンだ。
27歳の彼は2018~2019年にはべガルダ仙台に在籍した元Jリーガー。2019年12月からベトナムで暮らしており、今年12月にFIFAの規定に基づく移住期間要件を満たした。
今大会で代表デビューすると決勝進出の立役者になった。ここまで出場した4試合全てでゴールを決めており、7得点で今大会の得点王争いも独走している(2位は4得点)。すでにASEANカップの1大会最多得点記録も樹立した(これまでは6得点)。
東南アジアでは反則級のフィジカルを誇るラファエルソンだが、今大会で味方にPKを譲る利他的な一面も見せており、ヒーローになった。
そうしたなか、『Bao Dan Viet』は、「グエン・スアン・ソンは第2のパク・ハンソになり、ベトナムで大金を稼ぐかもしれない」という特集記事を伝えた。
パク・ハンソ氏は、2018年にベトナム代表をASEANカップ優勝に導いた韓国人監督。同監督は2017から2023年までベトナム代表を指揮し、国民的ヒーローになった。
「グエン・スアン・ソンの前に、大成功を収めてベトナムサッカーファンの心を掴んだ外国人はパク・ハンソ監督だ。ベトナムを率いた5年間での素晴らしい実績のおかげで、パク・ハンソ監督はベトナムだけでなく母国韓国でも非常に高い報酬を得るホットな広告塔となった。
暴露された話によると、パク氏とその家族は、ベトナムユーストレーニングセンターの別荘での居住、専用車、ベトナムと韓国間や世界中どこへでも移動するための航空券の提供など、多くの好待遇を受けていた。65歳の同氏は、ベトナム企業から家3軒、車2台、その他多くの貴重品や現金も受け取った。
パク氏はベトナムで最も有名な韓国人として、乳製品、ソーセージ、テレビ、電話などのブランドアンバサダーを務めた。韓国銀行の宣伝に登場したこともある。2021年10月時点でこの韓国人監督はベトナムで10以上の主要ブランドを代表していた。
いくつかのブランドの関係者は、パク氏はベトナムサッカーで一連の奇跡を起こし、国民にインスピレーションを与える感情的な行動で多くの人々に賞賛されていると語る。それがブランドに選ばれるのに役立つポイントだ。
電子機器、牛乳、機能性食品、金融サービスなどの一連の韓国の主要ブランドも、65歳の指導者を選んだ。それらの広告収入は、パク氏がベトナム代表監督として得ていた給与よりもはるかに高いと推定される。ベトナム代表を率いなくなった現在でも注目度は高く、今や何もしなくても大金を稼げると多くの人が言っている。
グエン・スアン・ソンがASEANカップで優勝し、今後も多大な貢献を続ければ、パク氏に続いてベトナムサッカーファンから尊敬される2人目の外国人になるだろう。そして、大金を稼ぎ、本当の億万長者になることができるはずだ」
注目の2ndレグは5日に行われる。
ラファエルソンのベトナムが優勝するのか、それとも、石井監督のタイが逆転で連覇を果たすのか、注目だ。