MLB選手会の会長を2013年から務めていたトニー・クラーク氏が、義妹との不適切な関係をめぐるスキャンダルにより辞任した折しも2026年シーズン後にはMLBオーナー側との大型労使交渉を控えており、指導部の空白が交渉力に影響を与えるとの懸念が広がっている。後任に就いた選手会の新会長は「ロックアウトはほぼ確実だ」とオーナーサイドへの強い不満を示した。
13年のキャリアに幕、即辞任の波紋
クラーク氏は元MLB選手で、2013年に前任者の死去を受けて選手会トップに就任した。以来13年にわたって選手会を率い、米メディア『THE BIGLEAD』によると、99日間のロックアウトが起きた2022年を含む2回の労使交渉を経験している。同メディアは「クラーク氏が去ることは今後の労使交渉に影響がある」と指摘した。その理由として、クラーク氏の長年の実績と築いてきた信頼を失うことと、オーナーと選手の交渉にはクラーク氏が行ってきた一貫性のあるメッセージが必要であることを挙げている。なお、クラーク氏は不正行為を否定する声明を出しつつも、組合の使命の妨げになることを避けるため辞任したと説明している。同メディアはさらに、一時的な会長不在により、選手会の組織としての脆弱性が生まれる可能性も示唆している。
後任会長が断言「ロックアウトはほぼ確実」サラリーキャップ導入巡り対立深まる
クラーク氏が辞任した翌日、後任には選手会副事務局長を務めていたブルース・マイヤー氏が選出された。米メディア『ESPN』によると、マイヤー氏は2022年の労使交渉にも参加し、弁護士としてNHLやNBAやNFLなどの選手会で長年の経験を持つ人物だ。同メディアはまた、経営側がサラリーキャップの導入を提案する方向にあると伝えており、オーナー側との間に大きな隔たりがある(現在MLBはラグジュアリータックスは導入しているものの、サラリーキャップは導入していない)。マイヤー氏は「今シーズン後のロックアウトはほぼ確実だ」と語り、MLB側はいつも選手達に圧力をかけている、と不満を示している。
