ロナウドにケイン、ヤマル、エムバペも……
今大会では、ナイキ、アディダス、プーマ、ニューバランス、スケッチャーズの5ブランドがピンクを基調とした新作スパイクを一斉に投入した。ナイキの「Breakout Pack」やアディダスの「Road to Glory Pack」などがその代表だ。ナイキのマーキュリアル、アディダスのプレデターといった主要モデルにいずれもピンク色があしらわれている。
W杯に出場する選手の多くはスポンサーと契約してスパイクが提供されており、最新モデルの着用が義務付けられているケースもある。そのため、ピッチ上には瞬く間にピンク色のスパイクが増殖した。イングランド代表のハリー・ケイン、スペイン代表のラミン・ヤマルらもピンクを足元に纏い、まるで大会の非公式ユニフォームのような存在感を放っている。
5つのブランドがピンクを選ぶことになった黒幕とは
競合する5つのブランドが同じ色を選んだのは偶然ではない。4年に一度のビッグイベントに向けて、スポーツブランドは大会の数年前から開発を進めるが、その際に指標としたのが世界最大手のトレンド予測会社「WGSN」の分析データだった。ドイツメディア『SGI Europe』によると、WGSNは2026年夏の象徴的カラーとして「エレクトリック・フューシャ(鮮やかなピンク)」を予測しており、各社がこの予測をもとに独立して開発した結果、同じピンク色を採用することになったという。
マーケティング的な意図も大きい。ピンクは色相環において、ピッチの緑色の真逆に位置するため、テレビの中継やSNSの動画でも圧倒的に視認性が高く、ブランドを効果的にアピールできる。さらに、今大会の出場国にピンクを主色とするユニフォームがないため、チームカラーと衝突せず選手の個性を引き立てられる利点もあるという。
過去にピンク色がスパイクで採用された例はあるが、ここまで多くのブランドが扱ったことはなく、同メディアは「スポーツ界を席巻するのに120年近くかかった色」と分析している。
