アメリカ代表のFWフォラリン・バログンが、FIFAワールドカップ2026・ラウンド16のベルギー戦(7月6日、現地時間)に出場できることになった。バログンはラウンド32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でレッドカードを受け、1試合の出場停止処分を科されていた。FIFAは処分に不服申し立てはないと明言していたが、週末になって一転、処分保留を発表した。米スポーツメディア『ESPN』は、この決定がワールドカップの信頼性を損ないかねないと報じた。
FIFAはなぜ第27条を持ち出したのか
FIFAの声明は「懲戒規程の第27条に基づき、出場停止の執行を1年間停止する」との一文にとどまった。同条項は懲戒処分の全部または一部の執行を停止できる包括規定だ。昨年11月のW杯予選アイルランド戦で退場したクリスティアーノ・ロナウドも、本来3試合だった停止が1試合に軽減された経緯がある。
バログンは今大会3得点でロナウドと並ぶチーム最多得点者で、ボスニアのムハレモビッチへのチャージが退場の原因だった。ベルギーサッカー協会(RBFA)は声明で「FIFAの決定に驚いている」とし、法的措置を含むあらゆる選択肢を検討していると表明した。
デイビス氏が指摘したVARの欠陥
トランプ米大統領は水曜、FIFAのインファンティノ会長に電話し、退場処分の見直しを要請したと報じられている。FIFAの発表後、トランプ氏はSNS「Truth Social」に「FIFAに感謝する。大きな不正が正された」と投稿し、歓迎する意向を示した。
元プレミアリーグ主審のアンディ・デイビス氏は同メディアの取材に対し、VARの過程がプロトコルに沿っていなかったと指摘した。同氏は、FIFAが判定かVARの手続きのいずれかに誤りがあったとの見方を示し、決定は透明性や根拠を欠くと述べた。統計サービス「Opta」によると、1970年大会でカード制度が導入されて以降、退場となった選手が次の試合に出場した例はワールドカップ史上一度もないという。
