UEFAが、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対し、「信頼を失った」とする声明を発表した。W杯の商業権を民間投資家に売却する計画が撤回されたことを受けたものだ。UEFAは「あらゆる選択肢を排除すべきではない」と述べ、会長の進退問題に踏み込む可能性を示唆している。「FIFA現体制はUEFAだけでなく、サッカーファミリーの多くのメンバーの信頼も失った」と続けた。
55カ国造反——W杯売却計画はなぜ撤回されたか
米メディア『ESPN』によると、インファンティーノ会長はW杯を含む商業事業を200億ドル(約2兆9000億円)規模の新会社として分離する計画を発表した。その一部を投資家に売却する内容だったという。しかしUEFA傘下の55カ国がFIFA主催大会のボイコットを決議した。北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)とアジアサッカー連盟(AFC)も反対を表明。上級顧問が辞表を提出し、最高執行責任者も「職員は欺かれた」との声明を出したため、会長は計画の撤回に追い込まれた。
UEFAが提示した"譲れない条件"の中身とは

UEFAは声明で「秘密裏に、急ぎ足で、正体不明の人物が作り上げた計画は許されない。責任者を特定して責任を問うことが必要だ」と強く批判した。インファンティーノ会長は4期目の再選を目指しており、来年3月のモロッコでのFIFA会議が焦点となる。一方、会長は8月5日、モロッコ・ラバト近郊で幹部を集めた緊急会議を開いた。FIFAは会議後の声明で、事務総長マティアス・グラフストロームら執行部が会長への「全面的な支持」を表明したと発表した。計画をめぐる過ちを認め、二度と繰り返さないと謝罪している。
だがUEFAは翌6日、計画の撤回と同様の売却を二度と試みない保証という2つの条件が満たされていないとして、ボイコット姿勢を崩さない考えを示している。なおカタール・サッカー協会などはインファンティーノ会長への支持を表明しており、FIFA内でも支持と批判が割れている。
