MLBニューヨーク・メッツの千賀滉大が、先発からブルペンへの配置転換をきっかけに結果を残している。8月に入ってからはセーブ機会を4度とも確実に成功させ、球威も先発時代とは別人のレベルまで上がった。ただし、この転向劇には米メディアが「初のつまずき」と呼ぶ出来事も存在する。守護神としての適性を証明しつつある右腕に、いま何が起きているのか。

千賀、クローザー転向で"別人"と化した

米紙『ニューヨーク・ポスト』は、千賀のクローザー転向について「滑り出しは極めて順調」と評価している。アンディ・グリーン暫定監督も「チームが求めていることすべてをこなしている。勝利に決定的な形で貢献した」と賛辞を送った。8月4日のガーディアンズ戦でリリーフデビューを果たすと、最速98.8マイル(約159.0キロ)の直球を武器に1イニングを無失点で切り抜け、以降8月16日のナショナルズ戦まで5試合連続無失点、被安打はわずか1本という数字を残した。

しかし、この完璧な投球は長くは続かなかった。8月19日のパドレス戦では今月初めて1失点を許しながらも4セーブ目を挙げ、続く23日のホワイトソックス戦では自身初となる中0日での連投の中、トリスタン・ピーターズにサヨナラ本塁打を浴びて敗戦を喫した。米紙は今回の被弾を「クローザー転向後、初のつまずき」と表現している。

それでもグリーン監督は「球速は少し落ちていたが、彼にとって良い経験になった」と前向きに受け止めた。米メディア『MLB.com』は今回の配置転換を球団による「実験」と位置づけ、7月の月間防御率が2.45まで改善したことを紹介。100マイル近い速球と切れ味鋭いフォークボールは、試合終盤のハイレバレッジを担うリリーバーに極めて適していると分析している。

千賀、本音は依然として先発復帰を望む

画像: 千賀、本音は依然として先発復帰を望む

千賀は今回の役割転換について「僕が先発をやりたいと言ったところで、チームから『自分の成績を見てみろ』と言われれば、言い返せる言葉はありませんから」と語り、クローザーを受け入れる姿勢を示しているという。

もっとも、将来的なローテーション復帰への意欲は依然として本人の中に残っており、連投への対応など長期的な起用法をめぐる課題も指摘されている。デビン・ウィリアムズが右肩の張りで離脱中のため、グリーン監督は千賀について今後数週間はクローザーとしての起用を続ける意向を示している。2027年まで年俸1500万ドル(約23.9億円、1ドル=159円換算)の契約が残る千賀にとって、今回の"実験"の結果が来季以降の立場を左右する可能性もある。

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