北中米ワールドカップ・グループD第2節、トルコ対パラグアイ戦で衝撃の出来事が起きた。
パラグアイ代表のミゲル・アルミロンが、今大会から導入された新ルールにより一発退場処分を受けたのだ。これは大会初の適用事例となった。
このルールは、相手選手との対立状況(口論など)で口元を手で覆う行為を厳しく禁じるもの。差別的発言などの隠蔽を防ぐ目的で、国際サッカー評議会(IFAB)が4月の特別会議で全会一致で承認し、2026年W杯から施行された。
新ルール施行のきっかけは、今年2月のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で、ベンフィカの選手がレアル・マドリードのヴィニシウスに対し、シャツで口を隠しながら差別的な発言をしたとされるケースだ。通称「ヴィニシウス・ルール」と呼ばれている。
FIFAのインファンティーノ会長も「隠すべきことがなければ口を隠す必要はない」と厳しい姿勢を示している。
前半アディショナルタイム、プレーが止まっていた際にアルミロンが相手DFメルト・ミュルドゥルに対し右手で口を覆いながら話しかけた。これを見たトルコの選手が審判に抗議。
主審イバン・バルトン氏はVAR(オンフィールドレビュー)で確認後、新ルール適用と判断して、一発レッドカードを提示した。パラグアイは後半を10人で戦うことになり、チームに大きな痛手となったが、最終的に1-0で今大会初勝利を挙げた。
興味深いのは、アルミロンが今大会ですでに別の新ルール適用“第1号”にもなっている点だ。
グループリーグ初戦のアメリカ戦では、53分頃にドリブルで仕掛けた際に転倒。主審は当初、アメリカのティム・リームにファウルでイエローカードを提示したが、VARチェック(「人違いのカード提示」に関する新基準)で接触がないシミュレーションと判明した。
その後リームのカードが取り消され、代わりにアルミロンにイエローカードが与えられた。これはWワールドカップ史上初の誤認によるVAR介入の事例となった。
SNSではこれを受け、「VARルール初適用のパイオニア」「新ルールのデモンストレーション選手」といったジョークが飛び交い、ブラジルメディア『Central do Braga』も「2試合で2つの新ルールを“初適用”した」と面白おかしく取り上げている。
大会の厳格化が進む中、選手たちは新基準への適応を迫られている。
筆者:江島耕太郎(編集部)
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