プロ野球の2025年シーズンで1軍出場を果たしたルーキー選手たちのプレーを振り返るとともに、編集部独自の採点方式で前半戦の通信簿を発表。まだプロ入りして間もない選手互いがどんな活躍を見せたのか。今回は、2年ぶりのAクラス入りを果たしたオリックス・バファローズ(以下、バファローズ)のルーキーたちの1年を振り返る。 

ドラフト1位 麦谷祐介(富士大) B評価

2025年のオリックス・バファローズは、支配下指名6人中5人がルーキーイヤーに1軍デビューを果たした。中でもドラフト1位の麦谷祐介は、79試合に出場し、打率.231、本塁打1、打点10、12盗塁で、通信簿「B」となった。開幕1軍入りを果たし、開幕戦で途中出場。

4月3日のマリーンズ戦では「9番・センター」でスタメン出出場し、プロ初安打・初打点を記録した。4月下旬から5月上旬にかけては7試合連続安打と調子を上げてきたかに思われた。しかし5月中旬からは打撃が低迷、途中出場も多くなり6月10日の登録抹消に。そこからファームで調整し、7月下旬に1軍再昇格。そこからシーズン終了まで1軍にとどまったが大きなインパクトを残すことはできなかった。

画像: 球団提供

球団提供

高校時代には、学校に馴染めず転校も…。

健大高崎高校(群馬県)在籍時に部内暴力の被害を受け、2年に上がるタイミングで大崎中央高(宮城県)に転校し、野球を続けた。富士大学に進学すると3年時に全日本大学野球選手権大会、明治神宮大会の準決勝に進出。いずれも青山学院大学に敗れたが、その年のドラフトで1位指名を受けた下村海翔投手(現、阪神)と常廣羽也斗投手(現、広島)からホームランを放った。

高校時代に一度は野球への意欲を失いかけた時期もあったが、転校先の恩師や仲間のサポートもあってドラフト1位で指名される選手へと成長。入団会見では「自分一人でここまで来られたわけじゃないですし、関わってくれたすべての方へ恩返しをしたい」と感謝を口にし、新たなプロ仕様のサインとともに色紙にしたためた言葉は「日本一で恩返し」。「トリプルスリー、ゴールデングラブ賞のような、試合に出続けないと取れない賞を目標にしたい」と掲げた未来図は大きく明確だ。

高校時代に味わった挫折を乗り越え、プロ入りを果たした麦谷。自慢の俊足で2ケタ盗塁を達成したのは自身にもつながったはず。あとは打撃の向上ができれば、チームの中心として君臨する日も近いだろう。

その他の野手では、ドラフト4位の山中稜真が19試合で打率.122、本塁打1、打点3で通信簿は「C」。広角に打ち分けるバッティングが魅力だったが、力を発揮できず。課題は明確なだけに、来季以降の成長に期待したい。

画像: 球団提供 ドラフト2位の寺西。2026年のオープン戦では侍ジャパンを相手に好投を見せ、ブレイクが期待される。

球団提供 ドラフト2位の寺西。2026年のオープン戦では侍ジャパンを相手に好投を見せ、ブレイクが期待される。

投手陣では、ドラフト2位の寺西成騎が11試合の登板で2勝3敗1ホールド、防御率5.30でシーズンを終え、通信簿は「C」。シーズン中盤からローテの谷間で登録、抹消を繰り返しながらの登板が多く、調整が難しい状況だったが、防御率の改善が来季以降の課題となるだろう。

中学3年の時に186cmの身長から最速141km/hをマークする“スーパー中学生”としてメディアの注目を集め、アジア選手権のU-15日本代表として世界一に貢献した寺西。名門・星稜高校に進学すると高校1年の夏に甲子園のマウンドを経験し、高卒でのプロ入りに向けて順風満帆に進んでいたが……。想定外の事態が起きる。

高校2年の夏、痛みをおぼえた右肩の診断結果は“肩関節唇損傷”。手術を決断して日本体育大学に進学するも痛みは晴れなかったが、NPB経験者の辻孟彦投手コーチ(元中日でお笑いコンビ・ニッポンの社長の辻皓平の弟)から「1、2年生は投げなくて良い。4年生でピークに持ってきてプロに行こう」との励ましに背中を押されインナーマッスルなどのトレーニングに励んだ。すると3年春の首都大学リーグでトップの防御率0.31、最多の5勝を挙げて優勝に貢献。高3から大学2年までどん底を経験するも完全復活を遂げた天才右腕の旬はこれからだ。

また、ドラフト6位の片山楽生が、21試合で1勝0敗1セーブ、防御率2.10と成績で、通信簿は「B」。今季最終戦では、三者凡退に仕留めてプロ初セーブを挙げたのは、自身につながったはずだ。その他、山口廉王は基準の出場数に到達せず評価対象外となった。

登板3試合、投球回12・1/3、1勝1敗0H0S、防御率3.55、奪三6、与四死6、失5、責5。5月15日のファイターズ戦でプロ初登板・初先発を3回無失点。

約1カ月後の6月13日のジャイアンツ戦では5回を1失点に抑えプロ初勝利を手にした。

大ケガから復活を果たした元“スーパー中学生”

三菱重工Eastからドラフト4位で入団の山中稜真の捕手の通信簿は『C』。14試合、率.136、本1、点3、盗0、振8、失0。4月5日のファイターズ戦に「7番・左翼手」で初出場・初先発。第2打席に金村尚真からレフトオーバーの二塁打でプロ初安打をマークし、第3打席の2点タイムリーで初打点。4月17日のライオンズ戦では上田大河からライトスタンドに運んでプロ初本塁打を記録した。山中は入団会見で掲げた“ある目標”が話題に。それは青学大野球部の先輩で現在は俳優の中山翔貴(タレント中山秀征の長男)とのメディアでの番組共演。中山はドラマ『下剋上球児』に出演するなど活躍中。先輩との共演をモチベーションにブレイクをはたしたい。

NTT東日本からドラフト6位で入団の片山楽生投手の通信簿は『C』登板8試合、投球回11、0勝0敗0H0S、防御率0.82、奪三6、与四死2、失1、責1。4月16日のライオンズ戦で一軍登板を果たすも2回4安打1失点とホロ苦デビューに。それでも約2カ月の二軍生活を経てふたたび一軍昇格を果たすと6月18日のドラゴンズ戦から7月20日のマリーンズ戦まで7試合連続無失点投球を継続している。そのうち3試合はイニングまたぎをこなし登板を重ねるたびに信頼感を高めている。今後は勝ちパターンの一角を担いたい。

画像: 写真:共同通信

写真:共同通信

2024年 オリックス・バファローズ 新人指名選手一覧

順位名前ポジション前所属評価成績
1位麦谷 祐介外野手富士大B65試合/率.250/本1/点8/盗11/振32/失1
2位寺西 成騎投手日本体育大C3試合/1勝1敗/0S/0H/32.2回/防御率3.55
3位山口 廉王投手仙台育英学園高評価なしW:7試合/2勝1敗/0S/0H/26回/防御率1.73
4位山中 稜真捕手三菱重工East評価なしW:19試合/率.122 /本1/点3/振9/盗0/失0
5位東山 玲士投手ENEOS評価なし登板なし
6位片山 楽生投手NTT東日本C8試合/0勝0敗/0S/0H/ 32.2回/防御率0.82

※1巡目: 西川史礁外野手で千葉ロッテと重複、抽選で外れる

2024年 オリックス・バファローズ 育成選手指名一覧

1位今坂 幸暉内野手大阪学院大高W:17試合/率.150/本1/点5/盗0/振14/失2
2位清水 武蔵内野手栃木ゴールデンブレーブスW:22試合/率.241/本0/点8/盗0/振9/失3
3位上原 堆我投手花咲徳栄高登板なし
4位寺本 聖一外野手広島経済大W:12試合/率.391/本0/点2/盗0/振7/失0
5位田島 光祐捕手信濃グランセローズW:42試合/率.159/本0/点4/盗0/振22/失4
6位乾 健斗投手霞ヶ浦高登板なし

構成/Baseball Times 文/高橋健二

This article is a sponsored article by
''.