ドラ1・伊原陵人は実力の高さを示す
就任1年目の藤川球児監督に率いられ、2025年のセ・リーグを制した阪神タイガースは、支配下で5名、育成で4名の計9選手を指名。金丸夢斗をクジで外して指名したタイガースのドラフト1位・伊原陵人投手は新人王をほぼ手中に収める活躍を見せ、リーグ優勝にも貢献した。
金丸夢斗をクジで外して指名したタイガースのドラフト1位・伊原陵人。中継ぎとして開幕一軍のメンバーに入るとプロ初登板となった3月30日のカープ戦を2回無失点。その後も6試合連続で無失点投球を続けて掴んだ初先発のマウンドは4月20日の同カード。5回を4安打無失点に抑えて12球団新人最速となるプロ初勝利を挙げた。5月11日のドラゴンズ戦から6月8日のバファローズ戦まで自身4連勝をかざった。
しかそれ以降、白星を挙げることはできず、途中リリーフでの再調整となるなど後半戦は苦しいピッチングに。それでも今季最後の登板となった9月28日のドラゴンズ戦では6回を投げ被安打4、失点1、奪三振7と結果を出した。また、ソフトバンクとの日本シリーズでは、第2戦で岩貞祐太の打球直撃による降板を受けて緊急登板。初の大舞台となったが2回1/3を投げて1失点と好投した。
実力の高さを示すシーンは見られたものの、1年目の通信簿が後半の不振が響き「B」。新人王獲得は叶わなかったが、2年目での飛躍に期待がかかる。
ちなみに、トレードマークであるグリーンのグラブの内側には大阪商業大学野球部の部訓である「負けられません勝つまでは」の刺しゅうが入れられている。

伊原の前半戦の活躍がチームに勢いをもたらした。 写真:共同通信(選定中)
最速156km/hのストレートを武器に11試合に登板したドラフト3位・木下里都の通信簿は『C』。
13回2/3を投げ0勝0敗1ホールド、防御率3.29の成績だった。6月17日に一軍昇格をはたすと6試合連続無失点の好投を披露。7月11日のスワローズ戦ではプロ入り初となるイニングまたぎの2回を無失点に抑えてみせた。
タイガースの中継ぎ陣は層が厚いだけに、この1年の経験を糧に成長をしてもらいたい。そんな木下投手には驚きのエピソードが2つある。1つは美文字の使い手。小学校6年間で習字を習い準8段の資格を持つ。そしてもう1つは、なんとプロ野球の知識を持たずこの世界に入ってきたこと。在阪テレビ局の出演時に「プロを目指して野球をしてきたのではなく、野球を好きで続けてきたらプロに誘われた」と明かしセ・リーグとパ・リーグについても理解していないほどだった。
サウナと登山を趣味に持ちベンチプレスは140kgを持ち上げるマッチョ右腕・工藤泰成。育成ドラフト1位から開幕前に支配下を勝ち取り、球団の育成氏名選手では初の開幕一軍入りも果たしたが、18試合で16回1/3を投げ、0勝2敗1ホールド、防3.31で通信簿は『C』止まり。プロ初登板となった3月29日のカープ戦で2/3イニングを投げて1失点、しかも3四球と制球を乱した。その後、抹消、再昇格が2度あったが、盤石なリリーフ陣の中に入ることはできず。それで7月に出場したフレッシュオールスターではオールウエスタン8番手としてマウンドに上がり、160km/hを計測。さらには自己最速を更新する161km/hをたたき出した。まだまだ伸びしろも感じさせるだけに、来季以降の活躍に期待したい。
工藤同様に育成から1年目で支配下を勝ち取った早川は、通信簿の基準を満たさず評価外となったが、プロ初先発となった8月27日のベイスターズ戦では、5回無失点でプロ初勝利。9月19日も再びベイスターズ打線を封じ込め6回無失点で自身2連勝を飾った。チーム唯一の国立大出身。その頭脳も生かしたピッチングスタイルを確立して、未来のローテ候補に名乗りを上げてもらいたい。

写真:共同通信
2024年 阪神タイガース 新人選手指名一覧
| 順位 | 名前 | ポジション | 背番号 | 前所属 | 評価 | 成績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 伊原 陵人 | 投手 | 18 | NTT西日本 | B | 25試合 5勝7敗 1H 防御率2.29 |
| 2位 | 今朝丸 裕喜 | 投手 | 28 | 報徳学園高 | 評価なし | ウエスタン 12試合 5勝0敗 防御率4.24 |
| 3位 | 木下 里都 | 投手 | 54 | KMGホールディングス | C | 11試合 0勝0敗 1H 防御率 3.29 |
| 4位 | 町田 隼乙 | 捕手 | 43 | 埼玉武蔵ヒートベアーズ | 評価なし | ウエスタン 31試合 打率.152 0本塁打 8打点 0盗塁 |
| 5位 | 佐野 大陽 | 内野手 | 45 | 富山GRNサンダーバーズ | 評価なし | ウエスタン 91試合 打率.266 0本塁打 23打点 5盗塁 |
※1巡目: 金丸夢斗投手で中日、横浜DeNA、読売と重複、抽選で外れる
2024年 阪神タイガース 育成選手指名一覧
| 順位 | 名前 | ポジション | 背番号 | 前所属 | 評価 | 成績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 育1位 | 工藤 泰成 | 投手 | 24 | 徳島インディゴソックス | C | 18試合 0勝2敗 1H 防御率3.31 |
| 育2位 | 嶋村 麟士朗 | 捕手 | 128 | 高知ファイティングドッグス | 評価なし | ウエスタン 58試合 打率.266 1本塁打 2打点 0盗塁 |
| 育3位 | 早川 太貴 | 投手 | 31 | くふうハヤテベンチャーズ静岡 | 評価なし | 3試合 2勝0敗 防御率0.00 |
| 育4位 | 川﨑 俊哲 | 内野手 | 130 | 石川ミリオンスターズ | 評価なし | ウエスタン 48試合 打率.143 0本塁打 1打点 2盗塁 |
構成/Baseball Times 文/高橋健二
