女子テニス部からは総スカン。泥だらけで過酷なラグビー部の夏合宿
筆者が中高一貫の男子校に通い、6年間ラグビー部に所属して汗を流していた頃の思い出です。毎年夏になると、山梨県の山中湖へ厳しい合宿に行っていました。その合宿所は他校の女子テニス部やサッカー部と共同で利用していたのですが、私たちの練習場は施設から一番遠い山の中にあり過酷な練習が終わる頃には毎日全身が泥だらけ。時には擦り傷で流血していることもありました。そんなむさくるしい姿で食堂に現れ、誰よりも早く大盛りご飯を食べ尽くしてしまう私たちラグビー部員は、同宿だった女子テニス部の子たちからすっかり嫌われ、完全に避けられる存在となっていました。過酷な練習で体力を削られるだけでなく、女子からの冷たい視線にも耐えなければならない、男子校ラグビー部ならではの過酷な夏合宿の風景でした。
マラソン中の大ピンチを救ったのは…嫌われていたはずの女子部員!?
そんな地獄の合宿の最終日には、恒例となっている「山中湖一周マラソン」が待ち受けていました。制限時間内に戻ってこないと合宿所に置いてけぼりにされるという恐怖のペナルティがあるため、誰もが必死に走ります。途中の水分補給のため、私は腕にガムテープで小銭を貼り付けてスタートしました。しかし、走っている途中で汗のせいかガムテープが剥がれ大切な小銭を紛失してしまうという大ピンチに陥ってしまったのです。激しい喉の渇きと焦りで途方に暮れていたその時、信じられない奇跡が起きました。なんと、私たちのことを毛嫌いしていたはずの女子テニス部の子が偶然通りかかり、見かねて声をかけてお金を貸してくれたのです。彼女の思いがけない優しさのおかげで無事に水分補給ができ、制限時間内に完走することができました。さらに後日、借りたお金を返す約束から連絡を取り合い、なんとそのままデートにまで発展!泥まみれで嫌われ者だったはずの夏合宿が、生涯忘れられない甘酸っぱい思い出へと変わった、まさに奇跡の青春エピソードです。
体験者:50代・男性 回答時期 2026年8月
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:おかもとたかひで
鍼灸師の国家資格を保有し、スポーツにおける故障の治療を中心に活動している。特に高校生の部活動でのケガからプレー復帰までの道のりや、ケガ予防を含めたコンディショニング指導に注力しており、過去にはオリンピック選手の治療に携わった経験も持つ。また、自身も千葉ロッテマリーンズの試合観戦に頻繁に足を運んでおり、球場での熱気や、ファンと選手の間で生まれるリアルなエピソードを交えたコラム執筆も行っている。

