練習時間を減らすと宣言した新顧問に部員たちが反発
私が高校2年生だった春、県大会に一度も進めていなかったバレーボール部に、30代の女性顧問が新しく赴任しました。赴任前の練習は平日3時間、休日は朝から夕方までが当たり前でした。
着任初日に顧問が告げたのは、「平日の練習は2時間、週に1日は完全に休む」という方針でした。部員からは「練習量で勝ってきたのに」「やる気がないと思われる」と反発が相次ぎ、3年生の主将も「今までを否定された気がする」と口にしたため、体育館の空気は明らかに悪くなりました。
説得の代わりに貼り出されたサーブとレシーブの数字
顧問は、部員を言葉で説得しませんでした。全員のサーブ成功率とレシーブの返球率を毎回記録し、模造紙に貼り出したのです。
2カ月ほど経つと、練習の後半になるほど数字が落ちていたこと、休養日を挟んだ週は翌週の数字が上がっていたことが、模造紙を見れば誰の目にも分かるようになりました。
練習試合で主将が口にした一言、そして秋の県大会へ
夏前の練習試合で、私たちはこれまで1セットも取れなかった相手から2セットを奪いました。真っ先に「先生、このまま続けます」と言ったのは、着任初日に反発していた主将でした。
その年の秋、チームは初めて県大会に進出し、1回戦も突破できたのです。
まとめ
当時を振り返ると、量を減らすのが怖かったのは、他に自信がなかったからだと思います。数字を貼り出す習慣は今も部に残り、後輩たちは休養日を当たり前のものとして受け入れています。
長くやることと強くなることは別なのだと、数字で突きつけられた3カ月でした。練習量に不安がある人は、まず自分のプレーの成功率を記録するところから始めてみてください。
【体験者:20代・男性、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06
幼少期からさまざまなスポーツに親しんできた、10代の現役学生ライター。合気道やテニス、アーチェリーなど、ジャンルの異なる競技と向き合ってきた。自身の経験に加え、周囲にもスポーツに取り組む友人や知人が多く、競技の裏側や選手ならではの悩み、恋愛、人間関係など、リアルなエピソードに触れる機会がある。そうした実体験や身近な声をコラムとして執筆している。

