今回は、筆者の友人であるAさん(20代の女性)から聞いた、ボルダリングジムでの出来事を紹介します。Aさんは、競技歴は3カ月ほどです。今年の春から平日の夜に通い始めたところ、同じ時間帯にいる40代の男性常連客から、頼んでもいない登り方の指示を受けるようになったのです。初心者だからと自分のやり方を否定され続け、同じ課題で足踏みが続いたAさん。状況が変わったきっかけは、ある日通りかかったスタッフの一言でした。

平日の夜のジムで始まった、一方的な指示

私がボルダリングを始めたのは、今年の春でした。市街地にあるジムへ平日の夜に通ううち、いつも同じ時間帯にいる40代の男性から声を掛けられるようになりました。

男性は「初心者にその課題は無理」と決めつけ、「そこは右手で取るのが正解」とムーブまで指定してきたのです。私が自己流で足を上げると、「効率が悪い」と何度もやり直しを求められました。次第に自分の登り方へ自信が持てなくなり、同じ課題で足踏みが続く日々でした。

左手のクロスで一手進んだ瞬間、大きくなった男性の声

ある日、私は指示とは違う左手のクロスで一手進みました。すると男性は「そんな登り方は想定されていない」と声を大きくしたのです。

そこへ、一人のスタッフが通りかかりました。

「その課題、作ったのは私です。左手で取るのが本来の想定ですよ」

周囲の視線が集まり、男性は何も言い返せませんでした。

「正解が一つとは限らない」の一言で変わったこと

スタッフは私に、「正解が一つとは限らないので、自分で探した方が伸びます」と伝えてくれたのです。その後、男性がほかの利用者へ一方的に指示する姿は見かけなくなりました。

私は言われた通りに動くのをやめ、自分でムーブを組み立てる練習へ切り替えました。目標にしていた一段上のグレードを完登できたのは、この夏のことです。

まとめ

経験者の助言は、必ずしも自分に合う正解とは限りません。初心者だからと登り方を否定され続けた日々でしたが、課題を作ったスタッフの一言が流れを変え、Aさんは自分でムーブを探す道を選びました。

誰かの指示通りに動いて伸び悩んでいるなら、次の1回だけ、自分で考えた手順を試してみてください。

【体験者:20代・女性、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:Yutel_06
幼少期からさまざまなスポーツに親しんできた、10代の現役学生ライター。合気道やテニス、アーチェリーなど、ジャンルの異なる競技と向き合ってきた。自身の経験に加え、周囲にもスポーツに取り組む友人や知人が多く、競技の裏側や選手ならではの悩み、恋愛、人間関係など、リアルなエピソードに触れる機会がある。そうした実体験や身近な声をコラムとして執筆している。

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