居酒屋で見つけた卓球大会のポスター
ある日、テニス仲間と地元の居酒屋で飲んでいると、市が開催する卓球団体戦のポスターが目に入りました。普段はテニスの団体戦に出る仲間ですが、この日はなぜか全員が乗り気になり、その場の勢いで申し込むことに。近所の体育館で練習を始めたものの、私の実力は温泉卓球程度です。一方、ダブルスを組むSさんはテニスでインターハイ出場経験があり、中学時代に卓球部だったUさんもいました。頼れる2人を中心に大会へ挑みました。
温泉卓球レベルでも1回戦突破
大会当日、体育館に入ると、いつものテニスの試合とは違う空気が新鮮でした。せっかく出るなら勝ちたいものの、私は強打で決められるほど上手ではありません。そこで、テニスのスライスのような打ち方を使い、卓球でいうカットらしき球でひたすら返す作戦に。上手な人から見ればカットとは呼べないかもしれませんが、とにかく守って粘りました。初級者クラスだったこともあり、チームは無事に1回戦を突破しました。
経験者チームに「体力勝負」
続く2回戦の相手は、明らかに経験者ぞろいでした。普通に戦えば厳しそうです。そこで作戦会議をした結果、相手よりこちらのほうが若そうだったため、とにかく拾って長いラリーに持ち込み、体力勝負にすることにしました。SさんとUさんが懸命に球を拾い続けると、相手にも疲れが見え始め、徐々にミスが増加。最後は本当にギリギリでしたが、なんと2回戦も勝利しました。ただ、こちらも疲れ果て、3回戦ではあっさり敗退しました。
対戦相手がまさかの「救世主」に
2回戦が終わったあと、対戦相手の男性が足を気にしている様子が目に入りました。私は鍼灸師という職業柄、そのまま見過ごせず、声をかけて簡単な応急処置をしました。その日はそれで別れたのですが、後日、その男性が私の治療院を訪れてくれたのです。さらに院を気に入ってくださり、その後は知人を何人も紹介してくれるようになりました。居酒屋で見つけた一枚のポスターから始まった卓球大会。そこで出会った相手が、のちに院を支えてくれる大切な存在になるとは、この時の私は知る由もありませんでした。
【体験者:50代・男性、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:おかもとたかひで
鍼灸師の国家資格を保有し、スポーツにおける故障の治療を中心に活動している。特に高校生の部活動でのケガからプレー復帰までの道のりや、ケガ予防を含めたコンディショニング指導に注力しており、過去にはオリンピック選手の治療に携わった経験も持つ。また、自身も千葉ロッテマリーンズの試合観戦に頻繁に足を運んでおり、球場での熱気や、ファンと選手の間で生まれるリアルなエピソードを交えたコラム執筆も行っている。

