判定のたびに大声を出す保護者
当時、小学3年生だった息子は地元の少年サッカークラブに所属しており、私はその春から父親コーチを手伝い始めました。
同じチームの保護者であるIさん(40代男性)は応援に熱心な反面、判定に納得できないとすぐに「どこ見てんだ!」「今のファウルだろ!」と大声を上げる人でした。
地区大会で続いた主審への野次
地区大会の試合でも、Iさんは主審を務めていた60代男性のJさんに何度も野次を飛ばしました。Jさんは表情を変えずに試合を進めましたが、子どもたちはIさんの声に萎縮し、ベンチの様子をうかがうようになっていたのです。
周囲の保護者も困っていたものの、誰も注意できずにいました。
審判講習の教室で待っていた講師
しばらくして、クラブで審判を担当する保護者が不足し、私とIさんは審判資格の講習会に参加することになりました。会場の教室で講師として前に立っていたのは、地区の審判指導を長年担当していたJさんだったのです。
講義でJさんが「審判への野次は、選手である子どもたちが一番よく聞いています」と話すと、Iさんは下を向いたまま固まっていました。
主審を経験したIさんの変化
講習後、自分から謝罪したIさんに対し、Jさんは「実際にやってみると難しいですよ」と笑って返しました。
後日、初めて主審を務めたIさんは、試合後に「ずっと走り続けて判断するのは本当に大変だ」と口にしていました。それ以来、応援席でIさんの野次を聞くことはなくなったのです。
まとめ
相手の立場を経験して初めて分かることがあると、チーム全員が実感した出来事でした。審判も選手も、同じ試合を作る大切な存在です。次に観戦するときは、判定よりも子どもたちのプレーに声援を送ることから始めてみてください。
【体験者:30代・女性、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06


