日常のあらゆることを物理で考える大学生
筆者が小学生の頃から知っているKさんは、大学で量子物理学を学ぶ理系男子だ。子供の頃からテニススクールに通っており、大学生になってからも筆者や父親と一緒にテニスを楽しんでいた。
真面目で優しい好青年なのだが、少し変わったところがある。それは、日常の出来事を何でも数学や物理で考えてしまうこと。テニスでもその性格は変わらず、他の人とは少し違ったアプローチでプレーしていた。
サーブを打つ前に始まった緻密な計算
ある日、Kさんとテニスをしていた時のこと。サーブの順番になったKさんは、風向きやコートの状態、相手の位置や技量などをじっくり確認し始めた。さらにボールの反発係数まで考慮し、どれくらいのスピードで打てば、次に自分が打ちやすいボールが返ってくるかを計算していたという。
ようやく計算を終えてトスを上げ、サーブを放ったものの、結果はまさかのフォールト。あれほど考えた末の失敗に、周囲も思わず笑ってしまった。
スマホを取り出して再計算を開始
父親や筆者にからかわれたKさんだったが、本人はいたって真剣だった。なんとスマートフォンを取り出し、テニスコートの図を表示して、その場で再び計算を始めたのだ。サーブを打つはずが、いつの間にか物理の問題を解く時間になってしまった。
周囲が「サーブはどうした?」とあきれていると、しばらくしてKさんが突然「分かった!」と声を上げた。どうやら、ようやく計算の答えが出たらしい。
導き出した答えは「自分には無理」
Kさんが導き出した結論は、なんと「自分には必要なスピードが出せない」というものだった。そして、そこにいたインターハイ出場経験のあるBさんに向かって、真顔で「190kmで打って」とお願いしたのだ。自分では計算通りのサーブを打てないと判断し、その役目を実力者に任せようというわけである。
当然ながらBさんもあきれ、Kさんは軽く蹴られてしまったという。風向きから反発係数まで緻密に計算した結果、最後は他人にサーブを打ってもらうという結論にたどり着いたKさん。理屈は通っているのかもしれないが、なんとも彼らしい珍回答だった。
【体験者:20代・男性、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


