練習に来ない子の母親が、監督に詰め寄った
息子が所属する地元の少年野球チームでは、昨年度の保護者総会で「練習の出席状況を試合の起用に反映する」というルールが決まりました。保護者会役員だった私は、総会の議事録を担当していました。
今年度に入ると、息子のチームメイトであるCさんの息子さんが別の習い事を始め、練習に来るのは月に数回ほどになりました。市の大会前のある日、練習後のグラウンドで、CさんがD監督に詰め寄ったのです。
「うちの子、全然試合に出てないですよね。上手いのに外すのはおかしい」
Cさんは保護者のグループLINEにも「監督の好き嫌いで決めている」と投稿し、チーム内の空気は悪くなっていきました。
保護者全員の前で読み上げた、昨年の議事録
D監督は保護者全員を集めて「起用の基準は、昨年の総会で皆さんと決めたものです」と説明し、続いて私が議事録を読み上げました。
ルールを最初に提案した保護者の欄に記録されていたのは、Cさんの名前でした。当時、Cさんは「練習に来ない子が試合に出るのは、頑張っている子に不公平」と発言していました。
「上手いのに外すのはおかしい」と訴えた本人こそが、ルールの提案者だったのです。Cさんは言葉に詰まり、集まった保護者は静まり返りました。
謝罪のあと、秋の大会で生まれたタイムリーヒット
後日、CさんはD監督に謝罪し、グループLINEにも謝罪の言葉を投稿しました。Cさんの息子さんは習い事の曜日を調整し、練習に参加する回数を増やしていったのです。
迎えた秋の大会で、Cさんの息子さんは途中出場からタイムリーヒットを打ちました。ベンチに戻ると、真っ先にCさんの方を見て笑っていました。
まとめ
監督に詰め寄ったCさん自身が、起用のルールの提案者でした。議事録を読み上げた日を境に、Cさん親子は練習に向き合い、秋の大会での一打につなげました。
ルールは自分に都合が悪くなったときこそ試されるものだと、私たち保護者全員が実感した出来事でした。チームで決めたことに迷ったときは、まず当時の記録を読み返してみてください。
【体験者:40代・女性、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06


